今朝起きたら、すっかり冬景色に変わっていた。
積雪は5センチほどだが、風花が北の風に舞い、外の気温は氷点下3度だった。
高山祭りの2日目は、「ご巡幸」の警護役という晴れ舞台があるので、天気が気になったが、町なかは積雪も無く、予定通り行われることになった。
中橋河畔の桜も、薄っすらと雪をのせて風情があった。
美容室で、紋付と飛騨裃の着付けをしてもらい、扇子、杖、草履、一文字笠などの小物を身につけて、集合場所へ向かった。
美容師さんから裃姿がよく似合うとお世辞を言われたが、鏡に映る姿を見て、満更でもないとニンマリ。
今日の世話役をする骨董屋のご主人から、役割の説明などを受けて、出発地点のお旅所へ向かった。
さすが本物の警護役は、裃の着こなしもさまになっているし、杖も捻じ曲がった自然木の漆仕上げ、年代ものの印籠に凝った根付など、道具屋ならではの出で立ちであった。
お昼前にお旅所を出発した行列は、各町内を練り歩きながら日枝神社へ向かう。
いつもとは逆で、大勢の観光客の被写体になり、なんだかスターになった気分でクセになりそう。
3時過ぎに行列は神社に着き、神輿の神様が神殿に戻る神事を終え、2日間の幕が閉じられた。
最後に境内で、氏子総代と宮本代表の挨拶で解散となった。
宮本とは、祭りを取り仕切る役割で、各組が持ち回りでやっている。
今日は動けない氏子の代役を務めたが、手不足で祭りの運営に、頭を悩まされているようだ。
少子化に加えて、若い人たちは都会へ出る人も多く、氏子の高齢化で祭りの担い手が年々少なくなっていく。
代役をした組も、出られる人は3人しかいないので、来年は宮本の役が回ってくるので、今から心配しているとのことだ。
屋台組や神輿組の中には、僅か数軒の氏子で維持されているところもあるようで、運営も難しくなっていくようだ。
華やかな時代絵巻の裏で、厳しい現実を垣間見た祭り体験だった。
祭り行列から見た風景をスライドショーでご覧ください。