梅雨明けの飛騨は爽やかに晴れ上がり、わが田んぼも、空の青と競うように、鮮やかな緑を誇っている。
先日の豪雨で谷が溢れ、田畑に流れ込んだ水も元の水量に戻り、濁りも消えて飲めるようになった。
本格的な暑さがやって来たが、朝の気温は20℃を切るので、早朝の散歩は上着を一枚羽織って出かける。
炎天下は30℃を越しても、木陰や家の中は涼しいし、日が暮れれば気温も下がり、夜は窓を閉めて掛け布団をかけて寝ている。
昼夜の温度差が大きく、夏の暮らしは快適で、特産の高冷地野菜も、そのせいで甘くておいしいと言われている。
温暖地では収穫期が終わったほうれん草も、今が出荷のピークで、どこの農家も寝る間を惜しんで収穫に励んでいる。
栽培が出来る期間は、雪が消える4月から、霜が降りる10月頃までである。
しゃれた看板に○○団地と書いてあるのを見て、最初はこんな山奥に団地があるのだろうかと思っていたら、トマトやほうれん草などの農業団地だった。
この集落にも、山を切り開いて作ったハウスが点在しているが、都会のコンクリート団地とはちょっと趣が違う。
丁寧に耕されたハウスは、種が蒔かれて、天井から散水して発芽を促している。
その隣では、取り入れ間近なほうれん草が、青々と茂って収穫を待っている。
収穫は手作業でする人もいるが、規模の大きい農家は機械で摘み取っていく。
麓の作業場へ運ばれたほうれん草は、パートの人たちが折れた葉やごみなどを落として包装し、都会の市場へ送られる。
1シーズンに4回ほど収穫が出来るとのことだが、種まきや病害虫の防除、水遣り、取り入れ、出荷作業など大忙しだ。
作業の合間に雑談に付き合ってもらった上に、ほうれん草を10把ほど頂いた。
今夜は卵と一緒に炒めて食べ、明日はサラダやお浸しなど、ほうれん草料理が続きそうだ。
これで、ポパイのようにモリモリ働きたい。