2月の朝も、降りしきる雪の中で迎えた。
上空では風が唸り、屋根や枝の雪を吹き散らしていく。
玄関から道路までの雪かきをしたが、すぐに元に戻ってしまいそうだ。
一仕事が終わって、ユキと目が合うと盛んに伸びをして散歩を促している。
コートをはおって出かけたが、細かい雪が襟元から飛び込んでくる。
ユキも吹き溜まりにはまったりして、もがきながら這い上がってきた。
テレビで半身が雪に埋まると身動きが取れないと伝えていたが、北陸の湿って重い雪では、セメントで固められたようになるだろう。
雪崩に巻き込まれたことはないが、滑落して雪に埋まったときは、抜け出すのに苦労したことを思い出す。
家の脇を流れている水路もほとんど雪に埋まって、道路との境目が分からない。
踏み抜いて雪のトンネルに吸い込まれたらひとたまりもない。
雪山でスノーブリッジを渡ることもあるが、崩れて谷に落ちる人もいるので、地形や雪の厚みなどを見極める必要がある。
屋根は雪止めがあるので一挙に落ちることはないが、雪庇のせり出しや氷柱の落下には注意しなければならない。
山でも尾根から張り出した雪庇を踏み抜いて滑落したり、雪庇の落下で雪崩を誘発して遭難事故を起こすことは稀ではない。
先日雪下ろしをした屋根から少しせり出しているので、ぼつぼつ要注意だ。
近くの空き家は今にも落ちそうで、ちょっとした風や振動、大声でも上げたら落下しそうだった。
雪による遭難は冬山だけでなく、雪国で暮らす人たちを命の危険に晒らしている。
午後には青空が広がったが、それもつかの間で、再び雪雲が流れ込み、横殴りの雪が降ってきた。