今日は冷たい雨のバレンタインデー。
チョコに縁が無くなって久しいが、たまたま名古屋にいたので、小さくてかわいらしいのを4個貰った。
すべて家族チョコ?で、ドキドキ感は無いが気楽に食べられる。
芥川賞の受賞作が掲載されている文藝春秋の3月号を買ってきた。
本屋にはたくさん平積みされていて、買う人も多く人気があることがうかがえる。
田中慎弥の「共喰い」を一読したが、好きになれない作品であった。
川辺の暗くて澱んだ情景や、人物の描写はうまく表現しているが、内容は最後までなじめなかった。
水上勉や松本清張の土着性の強い陰鬱な暗さは、ストーリー展開の上で欠かせない設定であるが、田中作品のセックスと暴力の描写は、救いようの無い暗さだけが尾を引く。
この部分が作者の個性であり評価された点だろうが、自分の好みは譲れない。
円城 塔の「道化師の蝶」は、物語の展開が冗長で解らないので面白くない。
いつまでたってもストーリーが見えてこないし、読み続ける根気も失せて、途中で投げ出してしまった。
作者と次元が違いすぎて、読ませて引き込む魅力を見出せなかった。
選評も様々で興味深く読んだが、好きでない石原慎太郎氏の酷評が最も的を射てたように思う。
前回の受賞作でも感じたが、芥川賞作品は、はるか遠い存在になってしまった。