季節外れの雨で、道路がシャーベット状のでこぼこ道になっていたが、昨夜の雪できれいに覆われていた。
今日も小雪が舞っていたが、強い寒波は南下中で、今夜から本格的な雪になるようだ。
毎朝散歩をしていると、雪面に刻まれた動物の足跡をたくさん見かける。
大小さまざまな野生動物が、夜間や早朝に動き回っている様子が手に取るように分かる。
2月15日までは狩猟期で動物たちは警戒しているが、休猟期に入れば、カモシカが麓に下りてきて、苔や草の芽などを食べている姿をよく見かける。
カモシカは他の動物と違って警戒心が薄く、余ほど近づかない限り逃げることはないので、この付近でもよく出合う。
イノシシと違って、目がとても穏やかで荒々しさはなく、毅然とした姿に気品すら感じる。
特徴のある偶蹄目の足はアイゼンの爪のように頑丈で、険しい岩壁も簡単に登っていく。
寒い冬に、崖の上などで立ったまま動かないカモシカを、猟師は「アオの寒立ち」と呼んで格好の獲物としてきた。
カモシカは特別天然記念物として保護されている一方で、植林地の苗や農作物の食害を防ぐため、一定数の捕獲が許されている。
この集落でも7頭の捕獲が許可され、食害動物の防除と、保護・繁殖という相反する課題の中で、数少ない猟師が狩猟に携わっている。
2年連続で田んぼに侵入されたり、豆やトウモロコシの苗を食べられたりしてしているが、イノシシほど荒っぽさは無く上品?に食べていくので心底憎めない。
森が荒れ耕作放棄地が増える中で、野生動物との共生の難しさを感じるのはいつものことである。