Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

意図不明だった後半開始直後(7/20浦和対札幌)

2024-07-21 20:00:46 | 浦和レッズ
昨日の浦和レッズのホーム札幌戦は、3-4で浦和の敗戦に終わりました。もっとも、スコアこそ僅差ですが、内容を見るとひどい試合です。それを生んだ要因にはいろんなものがあります。まずは、チアゴ・サンタナをベンチスタートにして、松尾の1トップで入ったスタメン選考があります。スピード型の松尾ではDFラインの裏へ走るしか得点パターンがなく、トップ下に入った武田からのパスが頼りでした。

それでも、武田のスルーパスが松尾に合った場面もあったのですが、松尾が気負い過ぎてこれを外しました。また、松尾と連携してシュートを狙った渡邉凌磨のシュートも相手GK菅野に止められました。たくさんあった先制のチャンスを逃し続けた浦和なので、厳しい試合になることは必至でした。また、札幌は3-4-1-2気味ながら、マンツーマン守備でボランチの安居のところにも駒井や馬場が付いてきました。

そのため、浦和はどうしてもボールを後ろで回す時間が多くなり、ボールを持っているというよりは「持たされている」展開になりました。そのため、浦和としては確率は低いものの通れば決定的になり得る、GK西川からのロングフィードにも活路を見出そうとしましたが、関根に合いかけたチャンスはうまくボールを収められませんでした。

痛かったのは前半、CKからの守備でした。どうしても、セットプレーに強かったDF酒井宏樹、ショルツが抜けている浦和としては、ちょうど後釜を見つけられていない空白の時期なのも響きました。青木のCKでDF岡村は見事に抜け出ており、セットプレーで失点するときの典型的なやられ方で、ビハインドを追うことになりました。

また、前半終了間際に鈴木武蔵が抜け出した場面もミスからでした。浦和はこの日は「これから行くぞ」と中盤でボールを持って前に行こうとするタイミングでのミスが目立ちました。そこでミスをするとDFやボランチの戻りが間に合わないので、この鈴木武蔵の抜け出しには誰もマークについていませんでした。VARでのオフサイドの判定に期待するのでは、とてもプロのサッカーとは言えません。

それで0-2とされ、後半の頭に武田を下げてチアゴ・サンタナを投入して、4-4-2に布陣を組み替えて後半勝負に出た浦和ですが、この時間が最悪でした。渡邉凌磨を左MF、大久保を右MF、チアゴ・サンタナと松尾の2トップにしたのですが、このメンバーでどう戦うか意識が全く共有されていませんでした。それが最悪の結果を招いたのですが、それについては後でマニアック分析で補足します。






























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雨の中の消耗戦(7/14京都対浦和)

2024-07-15 14:45:47 | 浦和レッズ
昨日の浦和レッズのアウェイ、京都サンガ戦は0-0の引き分けに終わりました。夏場で雨の中という悪条件の試合だったこともあって、両チームともに激しく消耗し、犠牲も払った試合でした。序盤、浦和は若干押し気味にゲームを運びますが、雨の中ということもあってパスがずれる場面もあり、しかも前半20分という早い時間でボランチのグスタフソンが負傷交代でピッチを後にするという誤算がいきなりありました。

グスタフソンに代えて投入されたのは武田で、トップ下にいた安居をボランチに下げることで対応しました。この交代で浦和が攻め、京都はカウンター狙いで対抗というのが前半一杯の展開でした。浦和のミスからのカウンターで、マルコ・トゥーリオが抜け出したところを関根がファウルで止め、最悪一発退場も覚悟しましたが何とか警告で済みました。

また、京都はGKク・ソンユンが当たっていました。GK西川のロングフィードで抜け出した関根のシュートを正確に止めると、後半にはサイドを崩してからの伊藤敦樹のシュートを片手で止めるスーパーセーブも出しました。押し気味だった浦和も、なかなか点が入らないものの、前半に負傷交代で1枠交代を使っていることもあって動きにくい展開になります。

後半、今度は京都が序盤押し込む展開を見せます。もともと、カウンター狙いの展開では右FWのマルコ・トゥーリオが効いていましたが、浦和は左SBの大畑のところを京都に狙われて苦しみました。相手の決定的なシュートを、ゴールの枠内に戻っていた今季初先発のCB井上がヘディングでクリアするような危ない場面も作られています。

膠着状態の試合を打開しようと、右MFに新加入の二田、左MFに松尾を投入して先制点を狙った浦和ですが、この日はCFのチアゴ・サンタナが有効なプレーを見せることができませんでした。CFの控えをベンチに入れていなかった浦和にとって、チアゴ・サンタナが効いていないのは痛い誤算で、やむなく最後の交代枠でチアゴ・サンタナに代えて小泉を投入して、松尾を1トップに上げる采配を打ちますが、松尾のヘディングシュートは相手DFにクリアされました。

最後は京都がどんどん前にボールを蹴って圧力を強め、浦和は急造CBの伊藤敦樹がパスミスをする危ない場面もありましたが、相手FWのシュートをゴール前に戻っていたDFが頭でクリアして、何とか引き分けでこの試合を終えました。しかし、体力自慢の安居が足をつるなど消耗は激しく、グスタフソンの負傷も合わせてチームが払った犠牲は大きかったです。次の札幌戦までは少し空きますが、回復できるでしょうか。
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京都戦プレビュー

2024-07-11 20:02:19 | 浦和レッズ
今度の日曜日、浦和レッズはアウェイのサンガスタジアムで、京都サンガと対戦します。勝てる試合だった湘南戦でまさかの勝ち点0に終わった浦和のムードは最悪でしょうが、ここで勝てば多少は取り返せます。チアゴ・サンタナが2ゴールを決めるなど明るい要素も出てきているので、今度こそ試合の終わらせ方を間違えないで欲しいものです。

京都は5勝6分11敗の成績で降格圏の18位です。データは20得点37失点で、1試合平均1点取れていない攻撃陣も、1試合平均2点近く取られている守備陣も良いとは言い難い状態です。浦和からレンタルで借りているDF宮本優太がここ3試合で試合に絡めていますが、彼はレンタル移籍ということもあって浦和戦には出ない契約になっている可能性があります。

チーム得点王はFW原、FW豊川が4得点です。このデータを見るとそれほど軸にできるような選手はおらず、チーム全体でハードワークしてゴール前にいる選手が点を取るのでしょう。U-23日本代表のボランチ、川崎がMFでありながら3得点を挙げているのが多少目立ちます。かつて「湘南スタイル」と呼ばれた全員守備、全員攻撃のサッカーを機能させたチョウキジェ監督が指揮を執るチームです。

もっとも、ホームで京都と対戦したときは、スコアこそ3-0と圧勝のように見えますが、京都にも十分勝機があった試合でした。前半苦しんだ浦和でしたが、チアゴ・サンタナのポストプレーで安居がうまくゴールを決めたことで流れに乗れました。それだけ、相手も浦和対策を入念に練ってきており、それをピッチ上で見事に披露される可能性もあります。

また、浦和の新加入の二田(にった)、本間がこの京都戦から出場が可能になります。ちょうど、両サイドの攻撃的な選手が足りない状態の浦和にとって起爆剤になってくれる可能性があります。二田はスピード型、本間はドリブラーと聞いており、こういう京都に特徴が知られていない選手が活躍することで、このゲームを勝利に持って来て欲しいものです。

































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湘南戦マニアック分析

2024-07-09 19:43:20 | 浦和レッズ
ハーフタイム、ヘグモ監督は前半機能していなかったエカニットを下げて、前田直輝を投入して右MFに置き、武田を左MFに回してきました。ウイングタイプの前田直輝のMF起用は守備で多少危険があるものの、1点ビハインドを逆転しないと話にならないという手でしょう。攻撃面ではこの交代の効果はあり、53分に前田直輝のドリブルから、渡邉凌磨がヘディングシュートを放つ場面も作れました。

これで点が入らないことで、ヘグモ監督はさらなる手を打ち、FWにチアゴ・サンタナを、MFにグスタフソンを投入してきます。この交代で安居がトップ下に回り、グスタフソンと伊藤敦樹のダブルボランチになります。これが突破口になり、安居のパスからチアゴ・サンタナが抜け出してシュートして、浦和に同点ゴールが生まれます。

押され気味だった湘南も、66分にルキアンが個人技で持ち込みますが、GK西川が止めます。ここで追いつかないとゲームが動かないと感じたような浦和は攻勢を強め、73分に渡邉凌磨のパスからチアゴ・サンタナが再び持ち込んで勝ち越し点を得ることができました。この2-1の展開は浦和にとっては狙い通りだったでしょうが、そんな試合を敗れたのはその後の戦い方のまずさでした。

湘南はルキアンと2トップを組んでいた途中出場の福田が効き始めます。75分、ルキアンのパスを受けた福田はフリーになったものの、力み過ぎてシュートを外し、浦和は事なきを得ます。その後、湘南はそれまでボランチの位置で守備をしていた左MFの畑が、思い切ってドリブルを仕掛け始めます。また、途中出場の石井をFWに上げて3トップ気味にもしてきました。

これに対する対応がなかったことが、浦和の敗因になりました。相手が前に人数をかけていると気付けば、ベンチにいた井上を投入して5バックにするなどの手もあったはずです。また、チアゴ・サンタナがCKでボールキープを始めたのは、このゲームが苦しい展開と彼なりに気付いたからでしょうが、そういう時間稼ぎをやるならチーム全体で意識を合わせておかないといけませんでした。

その戦い方のまずさは最悪のシナリオを招きました。89分に畑のドリブルに前田直輝が対応できず、数的不利を作られて石井に決められると、90分にルキアンにゴール前に抜け出され、浦和は勝てるはずだったこの試合を2-3で敗れることになりました。この負けは後で尾を引きそうだと、次の京都戦が若干気になるような負け方でした。




























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戦い方を変えられず(7/6浦和対湘南)

2024-07-07 13:57:53 | 浦和レッズ
昨日の浦和レッズのホーム湘南戦は、2-3で浦和の敗戦に終わりました。最後の試合の終わらせ方に失敗したのが敗因ですが、それについてはあとで書くとして、まずは相手湘南の出方から見ました。湘南は4-3-1-2で、両サイドハーフを低い位置に置いて自陣でブロックを引きながら、2トップの機動力で浦和の両CBに対してプレスに行く、浦和対策としては考えられた策を披露してきました。

これに対し、浦和はリンセンの1トップに、トップ下に渡邉凌磨、右MFに武田、左MFにエカニットを置く4-2-3-1で入ってきました。これまでの4-3-3ではどうしても、2トップの相手にアンカーへのパスコースを限定されてしまうので、ダブルボランチを置くことでパスを回しやすくする狙いでしょう。もっとも、浦和が使いたい武器と考えられた手が通用しなかった前半でした。

まずはリンセンのところです。リンセンは上背は170cmと高くないので、アーリークロスを放り込んでも合いません。そのため、彼の武器であるフィジカルの強さで相手DFからボールを奪うことで機能して欲しいという期待を持っていましたが、この日はリンセンのコンタクトプレーが主審に厳しく判定され、イエローカードも出されるなど機能することはできませんでした。

また、左MFのエカニットのところが特に機能していない印象がありました。ボールをキープしながら伊藤敦樹を走らせるプレーはあったものの、彼の位置が後ろの方であることが多く、彼にボールが回ってもバックパスで途絶える場面が多かったと思わざるを得ません。それでも、武田が枠内に飛ぶ決定的なシュートを見せることもできましたが、この日は相手GKソン・ボグムンが好調で、浦和の決定的なシュートを2本止められてしまいました。

こういう、ボールは回しているものの点が取れないという展開は浦和にとっては危険で、33分に山田直輝のカウンターからのドリブルがきっかけとなって、マイナスのクロスをボランチの位置から上がってきた田中のシュートで、浦和にとっては痛い失点を喫することになります。また、前半で石原、リンセン、渡邉凌磨の3人にイエローカードが出ているのも浦和にとっては嫌な展開でした。

そのため、ハーフタイムにヘグモ監督がどう動くか予想してみましたが、イエローカードをもらっている選手を交代させるか、機能しなかったエカニットを交代させるか、両方の選択肢が考えられました。ベンチには、前田直輝、チアゴ・サンタナと攻撃で使える選手がいるので、彼ら次第でこの試合はひっくり返せると、期待はある程度持って迎えたハーフタイムでした。

続きは明日、マニアック分析で補足します。



















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磐田戦マニアック分析

2024-07-05 22:39:32 | 浦和レッズ
1点ビハインドになった磐田は、ハーフタイムに何か攻めの交代を打つと思われましたが、左MFの平川とCBのリカルド・グラッサを下げて同じポジションの選手を入れました。布陣的には前半と同じ4-4-2ですが、少し最終ラインの高さを上げて、前からプレスに行ってのカウンター狙いでした。この変化は浦和にとっても悪い変化ではなく、DFラインの裏に速いパスを狙うことが可能になります。

その攻めは武田のスルーパスから渡邉凌磨が追いついたもののオフサイドだったプレーにも表れ、パスをつなぐのは浦和という図式は後半も変わりませんでした。この日は新布陣の4-2-3-1に、ボランチの伊藤敦樹が向いていることが現れます。攻撃的MFだと相手マークをはがすのに苦労していた伊藤敦樹ですが、ボランチにいれば相手が警戒していない後ろ側から攻めに行けるので、彼のサイド攻撃が先制点の場面に引き続きまたも成功します。

右SB石原の長い距離のスルーパスに、伊藤敦樹が追いついてマイナスのクロスを送ると、トップ下の渡邉凌磨がうまくゴールの枠内に流し込んで、このゲームでは重要な2点目を決めることができました。浦和としては、準備していたサブFWのチアゴ・サンタナを入れてからが勝負かなと思っていましたが、そのチアゴ・サンタナを入れる前に2点リードを奪っておくことができました。

また、五輪代表がかかっている左SBの大畑も好調な様子で、61分には直接FKをポストに当てて惜しくもゴールこそならなかったものの、武田との連携もうまく取れていました。チアゴ・サンタナはソルバッケンとの交代でピッチに入り、チアゴ・サンタナがCF、リンセンがトップ下気味になります。その直後、大畑が相手右SBに仕掛けて抜け出し、折り返しを伊藤敦樹が決めて、決定的とも言える3点目が浦和に入りました。

ショルツが抜けて課題になりそうなDFラインも、ショルツ欠場時に何度か代役出場していた佐藤が落ち着いてさばき、フィードにやや難があるホイブラーテンのフォローはできていました。最後は、何かあったときのために、DF井上、MF堀内、MF宇賀神に数分とはいえ出番を与えておくこともできた浦和は、今季一番の快勝で3-0で勝利しました。

負傷者が続出して、ヘグモ監督の4-3-3ができなくなったことで実現した4-2-3-1ですが、これはスコルジャ前監督の布陣ということもあって主力選手は慣れています。特に伊藤敦樹が覚醒したのが大きく、このMF次第でこれからの浦和が、一つでも上の順位を目指して欲しいという期待が持てた試合だったと振り返ります。













































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酒井宏樹、浦和退団

2024-07-02 21:59:42 | 浦和レッズ
写真の酒井宏樹選手の退団セレモニーも行われていました。詳細は明日、書きます。

写真の浦和DF酒井宏樹選手の退団も発表になっていました。酒井は柏でユースから昇格してプロになり、J2時代の柏でポジションをつかむと、J1優勝の開催国枠で出場できた2011年のクラブW杯でサントスFC(ブラジル)と対戦するなど、世界相手に一躍名を売ります。これだけ実績を作れば海外からオファーが来るのは必然で、ドイツのハノーファーでブンデスリーガ1部でのプレーを実現させます。

もっとも、ハノーファーはそれほど強いチームではなかったので、2部降格をきっかけにフランス1部のマルセイユに移籍します。このマルセイユ時代が酒井宏樹の輝いた時期でした。この頃になると日本代表の右SBといえば彼の名前が定着するようになり、PSGのエムバペなど強力アタッカーとの対戦が日常になったことで、2018年ロシアW杯では4試合すべてにスタメン出場します。

浦和移籍は2021年です。当時「なぜ浦和なんかに移籍するんだ」と反対する周囲の声もあったと聞きます。彼が、古巣の柏でなく浦和を選んだ理由は「ACLで優勝したいから」でした。2007年、2017年と2度ACL優勝を果たし、2019年も準優勝とアジアで結果を残すノウハウを浦和が持っているというのも、移籍の決め手だったでしょう。

もちろん、ACLで優勝するためには出場権を取るところから始めないといけないですが、そのチャンスは加入直後にありました。2021年の天皇杯で、ロドリゲス監督が率いた浦和は、新加入の酒井宏樹やショルツの活躍もあって見事優勝を果たし、ACL出場権を得ました。翌2022年、コロナ禍でACLが変則開催で、1次リーグがタイで集中開催、決勝トーナメントのベスト16から準決勝が埼スタで集中開催という条件でした。

1次リーグは浦和の力をもってすれば問題なかったですが、準決勝の全北(韓国)はハードな相手でした。サイドの強力アタッカーに苦しんだ浦和ですが地元埼玉スタジアム開催を味方につけ、PK戦で勝ち抜いて決勝に進出します。決勝戦はもっと強いアルヒラル(サウジアラビア)でしたが、今度は2023年に新加入したDFホイブラーテンの力もあって優勝することができました。

このACL優勝で、やりたいことはできたという思いがあったのでしょう。移籍先はオーストラリアリーグが有力と言われています。それほどレベルの高いリーグではないので、代表復帰というような話にはならないでしょうが、いい意味で海外慣れしている彼なので、そこで右SBとしてチームの主力選手になれれば、彼なりに満足できる移籍になることでしょう。
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アレクサンダー・ショルツ、浦和退団

2024-07-01 22:23:37 | 浦和レッズ
昨日の磐田戦の試合後、写真の浦和DFアレクサンダー・ショルツ選手の退団セレモニーが行われていました。ショルツは2021年にデンマークリーグのミッティランから完全移籍で浦和に加入してきました。当時、若手主体で選手を育てるチームだった浦和が、ショルツと酒井宏樹の獲得で本気で強化に乗り出す、ちょうど時代の変わり目にいた選手です。

日本人だったら代表にも呼ばれる可能性がある選手ですが、来日当時28歳と年齢的に欧州でのキャリアでこれ以上を目指すのは厳しいと判断したようで、まったく異文化の日本に新天地を求めました。彼のプレーで、売り物はとっさの判断力で、危ないと判断したら頭でちょっと触って、相手選手がいない方向に正確に弾き出すのが得意でした。

昔の浦和DF、ギド・ブッフバルトを思い出すような自陣からのドリブルも特徴でした。彼のドリブルはギドと同じように、相手を抜くためのものではなく、高い位置に上がってゲームを作るためのドリブルでした。相手にブロックを引かれてパスの出し所がない展開になると、ショルツが自陣から上がってクロスを上げた場面は何度も見られました。時にはそのまま上がって点を取ることもありました。

昨シーズンからの、ホイブラーテンとのCBコンビは、最強のコンビでした。ホイブラーテンが前から当たればショルツがカバーし、ショルツが上がっているときはホイブラーテンが時間を稼いでくれました。当時の浦和で、ショルツかホイブラーテンがサイドに引っ張り出されていない限り、単純なクロスでは失点する気がしなかったほどです。

また、ショルツといえばPKキッカーでもありました。当時の浦和では一番上手く、サイドの相手GKが届かないところに正確に蹴るキックで、PKでしか点が取れない試合を拾うこともできました。今季はチアゴ・サンタナにキッカーを譲る場面も見られましたが、昨年まではショルツのPKで1-0というのも、浦和の一つの勝ちパターンでした。

今季はヘグモ監督が導入した4-3-3がなかなか機能せず、ショルツとホイブラーテンのCBで何とかしてくれというような場面を作られたことで、昨年ほどの安定感は出せませんでした。それでも、ACLも優勝し、浦和にタイトルを残した彼への感謝は尽きません。移籍先はカタールリーグが有力と言われます。彼もキャリアの終盤になり、また違った場所でプレーしたいと、オファーを見て思ったのでしょうね。
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今季一番の快勝(6/30浦和対磐田)

2024-06-30 23:04:24 | 浦和レッズ
埼玉スタジアムから帰ってきました。試合の感想は明日、書きます。

昨日の磐田戦は、浦和のやりたいサッカーが存分に発揮できた試合でした。これまで、ヘグモ監督の4-3-3相手にはアンカーを挟んでビルドアップをさせない相手が続いたので、この日の浦和はリンセンの1トップに、トップ下に武田、ダブルボランチに伊藤敦樹と安居を置く4-2-3-1に布陣を変えてきました。もっとも、相手磐田も浦和対策として練ってきた布陣で来ました。

浦和が相手2トップが前から追ってくる相手にやりにくそうにしていると判断したようで、2トップのペイショットとジャーメインに浦和の2枚のCBにプレスに行き、自陣には4-4の2ラインをコンパクトに引いてゴール前にブロックを作って守ってきました。浦和としては、ボールは回せる展開なので、変なミスでカウンターを食らわないようにしながら、磐田ブロックの外側を使ってボールを回したいところです。

浦和は右MFのソルバッケンに渡せば、かなりの確率でパスを通してくれました。もっとも、この日はトップ下の武田のところに相手がダブルボランチを寄せてきたので、そこが潰されたのがなかなかスコアが動かなかった要因でした。そのため、ベンチのヘグモ監督は負傷者が出ているタイミングで武田を呼び、武田を左MF、渡邉凌磨をトップ下に回す布陣変更を打ちました。

この手は正解でした。左MFに回った武田が比較的自由にボールをさばけたので、ゴール前にいたリンセンに絶妙なパスも出せるようになってきました。渡邉凌磨も動き回るタイプのトップ下なので、相手マークをうまくかいくぐりながら、左SBの大畑とも連携してサイドに起点も作れました。スコアが動いたのはその渡邉凌磨からでした。

このときは渡邉凌磨を追い越して、ボランチの伊藤敦樹が左サイドを駆け上がっていました。そこにパスが出たことで伊藤敦樹はフリーでクロスを上げられ、ファーサイドで待っていた右SBの石原が打点の高いヘディングシュートを決めて、先制点は浦和に入りました。石原は湘南時代もゴールがなく、意外にもこれがプロ初ゴールでした。

この浦和の1点リードで、磐田がどこかで無理をして選手を上げてくると予想していましたが、実際には前半終了に至るまで磐田は4-4のブロックを維持してきました。前半1点ビハインドはある程度仕方ないという判断なのでしょうが、これなら変なミスで自滅しない限り、浦和が優位に試合を運べる展開にできそうだと、期待してハーフタイムを迎えました。

続きは明日以降、マニアック分析で補足します。













































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試合を左右した個人技(6/26名古屋対浦和)

2024-06-29 21:58:35 | 浦和レッズ
かなり前の試合ですが、水曜日の浦和レッズのアウェイ名古屋戦は1-0で浦和の勝利に終わりました。この日の浦和はCFでいつものチアゴ・サンタナでなくリンセンを起用してきました。リンセンは上背が170cmとそれほど高くないのでクロスを放り込んでも合いませんが、この日はリンセンが自分の役割をよく理解していた動きを見せました。

それは、フィジカルの強さを生かした相手DFに対するボール奪取です。序盤、佐藤が出した縦パスに対し、このリンセンの動きも効いて相手DF吉田がクリアミスしました。それを拾ったリンセンは左サイドを上がってきたソルバッケンにパスを出し、ソルバッケンの仕掛けからファーサイドで待っていた渡邉凌磨が合わせて、浦和は前半10分で1点リードを奪うことができました。

リンセンの前からの守備だけが浦和の強みではなく、この日はソルバッケンが好調で、相手DF吉田に対して1対1はほとんど勝てていました。たまたま、クロスを名古屋DFがクリアして決定機にこそならなかったものの、名古屋を率いる長谷川健太監督がこの劣勢に対しては策を打ち、まずは3バックだった守備陣で左アウトサイドだった内田を最終ラインに下げて、自陣に4枚常に残る布陣変更を打ちました。

それでも、浦和のリンセンのボール奪取は名古屋にとって脅威で、内田のところでボール奪取したリンセンに対し、内田が後ろからファウルで止めたという判定になって内田は2枚目のイエローカードで退場します。この退場で名古屋は4-3-2に布陣を変え、左SBには後半から投入された野上を置き、前に中山と山岸を置いて前からの圧力を弱めない戦い方を選択します。

浦和にボールを奪われたら即カウンターというリスクの高い戦い方ですが、名古屋が圧力を弱めなかったことで浦和としては逃げ切り方が難しい試合になります。それでも、前田直輝が独走して決定的な場面も作れましたが、GKランゲラックが止めて最後までわからない展開は続きました。最後、浦和が何とか1-0で逃げ切れたのは、伊藤敦樹と安居のダブルボランチが落ち着かせたところもあったでしょう。

しかし、この勝利の代償は大きく、この試合だけでソルバッケン、前田直輝、関根と3人も負傷交代を出してしまいました。いずれも筋肉系の怪我のようで長引きそうで、ただでさえ選手層に課題がある浦和がここで3人負傷で失うのは痛いと、勝ったものの素直に喜べない勝利ではありました。しかも、この日途中出場のMF岩尾の退団まで明らかになり、これからどうなるのだろうとちょっと今後が気になりました。
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