高原と小野伸二

本当に高原直泰選手が浦和の一員になるのですね。ただ、高原には肺動脈塞栓症(エコノミークラス症候群)という持病があります。体質的に血栓ができやすいようで、おそらく今でも血栓を溶かす薬を常用していると思います。そのため、高原との契約は、中東や豪州などの長距離フライトを伴う遠征は行かないというものになっている可能性があります。

代表定着を狙って帰国したのも、命懸けになる長距離フライトを避けたかったのでしょう。そのために永井や田中達也がいるのですから、たとえACLのアウェー戦を欠場しても目くじらを立てないようにしたいです。

高原と言えば、小野伸二と同期で、小野の出身地、沼津の隣町、三島の出身です。おそらく少年時代から、お互いのことは知っていたでしょう。高校は違う高校に入学しましたが、国体の静岡選抜でチームメイトになりました。このとき、静岡選抜は優勝し、小野伸二と高原が組めば好結果が出るという最初の例になりました。

その後も、U-17日本代表、U-20日本代表と、小野伸二と高原が組んだ機会はありました。特にナイジェリアのワールドユース(U-20)は、両者とも大活躍で、チームを日本サッカー史上最高位の準優勝に導きました。ただ、その後はすれ違いが続きます。

2000年のシドニー五輪は小野伸二が負傷欠場しました。2002年日韓W杯は高原が肺動脈塞栓症で出場できませんでした。オーバーエイジ枠で二人が選ばれ、期待された2004年のアテネ五輪も、再び高原が血栓の影響で欠場しました。お互いは親友だそうですが、なかなか一緒のチームではプレーできなかったのです。

しかし、今回、初めて小野伸二と高原が同じクラブに所属することになります。この両者の相乗効果で、浦和が良い成績を挙げられることを期待したいです。