プレスの力(9/6バーレーン対日本)

前回、6月に来日したときのバーレーンは、主力選手が何人か抜けていました。しかし、今回はベストメンバーを揃えてきましたから、サイドからのクロスからA・フバイルの打点の高いヘディングで点を取るというゲームプランだったと思います。そのため、それをさせたくなかった日本の取った手は、DFに強烈なプレッシャーを掛けることでした。

Jリーグで1点しか取っていない田中達也がなぜ代表？と、レッズサポでない方は考えると思いますが、プレス要員としては最適な運動量を持っています。これで、バーレーンはDFラインからフィードでサイドMFを走らせる形ができず、GKにバックパスをせざるを得なくなりました。

これで、アウェーでありながら、日本の方がボール支配率が高いという理想のサッカーがだいたい出来ていたと思います。どうやら、岡田監督の理想の形は、3次予選の3戦目のオマーン戦にあったのではと思います。遠藤に、昔取った杵柄で、守備的ボランチ(いわゆるアンカー)を任せ、MFは全員パスを出せて、サイドハーフはキープできる前掛りのサッカーです。

前回、バーレーンにアウェーで敗れたときは、オシム前監督の采配を意識し過ぎて、「オシムさんならこんなメンバーを選ぶのかな」という感覚でメンバーを選んでしまったような気がします。しかし、もともと就任直後に、岡田監督は前からプレスを掛ける、選手にとってはきついサッカーをあえてやりたいと宣言していました。

それが形になったのが、前述のオマーン戦で、まったく相手のやりたいことをさせない完勝でした。ただ、それを暑い中東のアウェーでもあえてやるのかは、どうかと思っていましたが、本当にやりました。ただ、日本の課題として、最初から全力でプレスに行ってしまうと、最後に動けなくなってやられてしまうというものがあります。

3点取ったことは、選手の頑張りを評価したいですが、最後に2点返されたことは、おそらく岡田監督はミーティングでは相当厳しいことを言ったような気がします。このバーレーン戦では、アンカーの遠藤のところで落ち着かせてゆっくりやる形ができていた時間もありましたから、その時間をもっと長くすることが、これからの課題だと思っています。