狭いスペースに入り込む(岡崎慎司)

今日、ブンデスリーガ1部のマインツに所属する岡崎慎司選手が、古巣シュツットガルトから今季9点目のゴールを奪ったニュースが飛び込んできました。現在得点ランキング4位で、今まで日本人の男性が達成したことのない、欧州1部リーグ得点王の可能性も出てきたと楽しみです。(女子は大儀見優季選手がポツダムで達成しています)

岡崎はJリーグ時代は清水に在籍していました。今話題のACミラン、本田圭佑の名古屋時代のプレーはあまり覚えていませんが、岡崎は清水時代のプレーを今でも思い出せます。当時は長身FWヨンセンと2トップを組んでいて、ヨンセンが相手DFを引き付けて空いたスペースに岡崎が走り込むプレーで得点を量産していました。

埼スタにも敵として来た岡崎の売り物は狭いスペースに強引に割って入れるフィジカルの強さです。かつての日本代表、中山雅史選手のダイビングヘッドは岡崎が継承者で、本人も「生涯ダイビングヘッド」は口にしています。

岡崎は岡田ジャパン時代に日本代表入りして、南アフリカW杯出場を決めたウズベキスタン戦のゴールで一躍アピールし、ドイツの名門シュツットガルトに移籍します。しかし、シュツットガルトにはボスニア・ヘルツェゴビナ代表のイビセビッチという、テクニックも強さも兼ね備えた強力なワントップがいました。

岡崎はそこでサイドハーフに回されます。サイドハーフでも点を取りに行っていい約束事になっていましたが、運動量の多い岡崎は相手にカウンターを食らったらいち早く帰陣するという役目が与えられていました。そういう地味な役割で試合に出ていることで、ザッケローニにもサイドハーフで起用されることになります。

岡崎は代表出場試合数当たりの得点数が、ほぼ2試合に1点と、最近の日本代表ではカズ以来の驚異的なペースです。史上3位の原博実氏の記録が目前に迫り、既に歴史に残るFWにはなったと思います。テクニシャンの本田圭佑や香川真司を大きく取り上げるマスコミの報道では、岡崎の快挙はあまり報じられないのは残念ですが、ブラジルW杯が終われば岡崎が主役になっている可能性はあると、大きな期待を持っています。