オールスターMVP(森友哉)

今日のプロ野球オールスター戦では、写真の西武森友哉選手が先制2ランの活躍でMVPを受賞しました。森にとっては2年連続のMVPで、去年はMVPの賞金でチームメイトにおごったと聞きますが、今年もおそらくそうなのだろうと思います。こういう、大舞台に強いのも名選手の条件で、森がこれから全国区の選手になっていく、一つの過程なのだろうと思います。

森といえば、売り物はその低い姿勢のバッティングフォームです。相手投手にとってはストライクゾーンが狭く投げにくいようで、今季の森は開幕から常に打率が3割を超える活躍です。もちろん、安定させるのは難しいフォームで、相当の下半身の鍛錬がなせる業なのでしょう。そのフォームで、一発狙いのような鋭いスイングをすることができます。

森は大阪桐蔭高校の出身で、2年生のときに一学年上の藤浪晋太郎投手とバッテリーを組んで春夏連覇の実績があります。当時から「打てる捕手」として有名な存在でしたが、上背が170cmとプロ選手としては低いので、ドラフト当時はそれほどの好評価ではありませんでした。当時の渡辺久信SDが、「打てる捕手が欲しい」と判断して単独1位で西武が指名しています。

森は打撃だけでなく、身体能力が高いことでも知られています。高校時代に駅のホームから落ちた老人を救ったことで警察から感謝状を贈られたエピソードもあり、俊足ではないものの味方が長打を打ったときは長駆ホームインを常に狙っています。そのため、中村剛也や栗山巧には代走を出すこともある辻監督も、森には代走を出さない信頼を勝ち得ています。

あとは、捕手としての守備です。盗塁を2塁で刺すなどはうまくなってきていますが、去年までの炭谷と比較してしまうと、味方投手のワイルドピッチを防ぎきれない課題があります。炭谷のキャッチングは驚異的な水準で真似をするのは難しいでしょうが、ここで塁が一つ救えると大きな援軍になります。もちろん、将来的には侍ジャパンも狙ってほしい逸材です。