政府は10月15日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を首相官邸で開き、今後の感染拡大に備えた対応の全体像の骨格を示した。
今夏の流行「第5波」のピーク時と比べ、感染力が2倍程度となった場合、重症者対応などを念頭に2割増の入院患者を受け入れられる医療体制を整備する方針だ。
感染力が3倍になれば「強い行動制限を機動的に国民に求める」と明記。
コロナ以外の急的な病床確保措置を講じるとした。
全体像は11月の早期に取りまとめる。
今後予想される「第6波」に向け、10月19日公示の衆院選の大きな争点であるコロナ対策をアピールする狙いがある。
第5波は百宅療養中に症状が悪化しても入院できず亡くなるケースが相次いだ。
岸田首相は会合で「最悪の事態を想定して次の感染拡大に備える」と述べた。
立憲民主党の衆院選公約は病床逼迫などを「自公政権による失政の結果」と批判。
検査と水際対策を徹底し「国が病床などの確保に主体的、積極的に関与し、責任を持つ」としている。
厚生労働省によると、入院患者受け入れの2割増は、感染力が今夏の2倍程度と想定した上で設定。
ワクチン接種が若年層を含めて進んだことで今夏より感染者が半減した後で、感染者数が再び第5波と同程度になった場合、相対的に重症者化しやすい高齢感染者の割合増が予想され、医療体制を2割増強するとしている。
全体像ではワクチン3回目接種の年内開始を巡り、体制やスケジュールを明らかにする。
骨格は、医療体制整備は「感染拡大時の病床使用率について、少なくとも8割を確保する」と盛り込んだ。
法律に基づく要請を含めた国の権限発動で「公的病院の専用病床をさらに確保する」とした。
コロナ病床として申告しながら実際は患者を受け入れない「幽霊病床」の改善にも取り組む。
対策具体化には難航する医療人材確保が必要だ。
一般医療との両立も課題。
都道府県や医療機関に効果的支援策を打ち出せるかどうかが問われそうだ。
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