「瑞豊」から隣の「ジャンボ」へ。2軒並んで暖簾にラーメン。そのもう一方の店に。店名は「ジャンボ」。自分はもう〆の体勢である。外観といい、店名といい、もう完全に町中華だと思っていたが。さて。
カウンターは満席。厨房の熱気が店内を包む。そんな光景を期待していたが、扉を開けると驚くべき状況が待っていた。
薄暗い店内、客は誰もなく、店内は寒々しかった。小上がりにテレビを観ていた女性がいて、自分が入店すると立ち上がった。テレビはラグビーワールドカップ、準決勝である。
カウンターに座って、「ラーメン」とお酒をオーダーした。
「お酒は冷やでいい?」
馴れ馴れしい物言いで自分に尋ねた。
「あ、それで」。
小さなコップに注がれた酒。
北のはずれの場末酒場でコップ酒。また、演歌じゃん。
「烏賊の丸干し、噛みしめながら、腹に呑み込め男の愚痴は」。
雁之介はんではなく、ここは増位山太志郎さんの、「男のコップ酒」。まさに、そんな哀愁感が店内中を支配する。
コップ酒を一口飲んだあたりから記憶が薄れてきた。
「ラグビーワールドカップ、日本戦じゃないけど観るんですね」。
店員の女性にそう聞いた。彼女がなんと答えたか、よく聞き取れなかったが、ラグビーはこの北のはずれにまで浸透しているのは確かだった。
普段、飲んだ後にラーメンは食べないが、それでもたまに食べると最高だ。カウンターの上に千円を置いて帰った。ラーメン500円、コップ酒500円。
どういう声をかけて店を出たか、記憶がない。まさに「男のコップ酒」だった。
もうビールは入らないでしょうから。
記憶がトンだのですか。アブないアブない。でも写真もブレてないし、その時はしっかりしていたのでしょう。
隣にはしご酒です。こういう機会もなかなかありません。
記憶消失はよくあります。その時はけっこうしっかりしているのですが、寝ると記憶がないです。
この後、宿に戻って温泉に入るのですが、そっちの方がアブない、アブない、かもです。