拙ブログの読者の方ならよくご存知だと思うのだが、自分はあまり新宿以西には行かない。いや、本当は中央線沿線のディープな酒場に行きたいのだが、いかんせん仕事先が少ないのだ。そして、自分のモットーは仕事が終わった現場で飲む。だから、その地に縁がなければ、そこで飲むことはない。
たまたま鷺ノ宮で仕事があった。こんなことはあまりない。昔、一度だけ、鷺ノ宮で降りたことがあった。初めて降りた時、鷺ノ宮は急行が停車する駅で、さぞかしビッグタウンなのかと思ったら、こぢんまりとした小さな街だった。その時は、「にしだ屋」という酒場に入ったが、それほど印象に残らなかった店である。
今夜は「四文屋」に行こうと思う。城西の有力酒場チェーン。駅から徒歩数分、あの独特の黄色いテントはすぐに見つかった。
「四文屋」は「居酒屋考現学」の橋本健二先生絶賛の店。串焼きあり、刺身あり、うまい酎ハイありの下町系酒場だ。しかし、店の大半は城西、都下にある。城北秋葉原に店が出来たのは数年前だ。こういう元気印のチェーン店は城東は城北には珍しく、それだけで新鮮だ。
カウンターに座り、まずは「酎ハイ」と「煮込み」から。
「四文屋」の「煮込み」はちょっと違う。普段から食べる「たきおか」や「晩杯屋」のそれとは違い、コクがあるから。その強いコクが「酎ハイ」の旨さを倍加させる。うまい。もし、近所に「四文屋」があれば、絶対通っちゃうんだろなと思う。但し、アキバの「四文屋」はちょっと系統が違うけどね。この「四文屋」から独立した名店も数多いと聞く。
100円の串焼きがまた絶品。何を食べてもハズレなし。
これだけのクオリティを持つチェーン店は珍しい。「かぶら屋」とは雲泥の差だと思う。何が違うかといったら、焼き場に立つ人のプライドなのかなと、そう思う。だから、毎日来るお客さんがいて、そして店も鍛えられるのだろうと。そんな串焼きの店って、城東や城北には少ない。だから、久しぶりに西の方に来て、「四文屋」を見ると、ちょっと胸がざわついたりするんだろう。
不思議なのは、この独特の空気感。ちょっとやそっとでは醸せない、硬派感といえばいいか。これは真似しようと思ってもなかなか出来ない。それは店に足を踏み入れた瞬間に分かるもの。鷺宮店には、それが確実に感じられた。この値段で、この雰囲気。「四文屋」は侮れない。
最近のお惣菜屋さんはグラム売りだから結構高くつきますが、全てのお惣菜を均一の料金で売る商売なら意外と当たると思いませんか?
こんばんは。
四文屋という形態のお店が江戸にあったのですね。
確かに、量り売りのお惣菜は高いです。均一料金ならば、それは当たりますよ。サブスリプションならば、そういうサービスも今後は出てくるかも。