伊香保温泉の石段近くにある旅館の中では、出色の宿だった。
規模、清潔さ、設備はダントツじゃないかと思う。
またの名を「雨情の宿」。
かつて、野口雨情が宿泊したというから、歴史ある旅館なのだろう。
ところどころ、設備は陳腐だったが、風呂は雰囲気があった。
「雨情」、「森秋」というキーワードから、叙情的な雰囲気を思い浮かべてしまいがちだが、黄金色の浴場はむしろ華美だった。
ライトアップの光が浴槽の湯面を照らし、濃厚な泉質のお湯が金色に輝く。滑らかな湯がビロードのように波たち、微かに泡立つ。
美しき、完璧なお湯。いつまでも入っていたくなる。
このお湯、つまり伊香保温泉の源泉から引かれているのだが、そうした旅館はそれほど多くないらしい。
まさに温泉をめぐる権益なのだが、これは割烹の「眞楽」の女将も、同じことを言っていた。
要するに、源泉をめぐる権益争いが、温泉街を疲弊されたのではないかと。
初日のゼミはなんてたって疲れた。
一人30分のプレゼンは、普段一人で好き勝手に仕事しているものにはこたえる。
あと4ヶ月、ボクは本当に卒論を書けるのだろうか。いや、それよりもボクの研究は学会にインパクトを与えられるのだろうか。
うん。
この風呂に入っていたら、なんか力がわいてきた。
なんかやれそうな気がする。
いいお風呂だった。
どうも気持ちがリラックスしてきた。
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