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お風呂放浪記NO.30 ~「清川湯」(盛岡市開運橋通)~

2011-02-02 13:47:42 | お風呂さすらい
とにかく、寒いのである。多分、気温は零下を下回っているのではないかと思うのだ。吐く息が白く、顔は強ばりながら、盛岡の町をあてどなく歩く。やや遠くの方向に煙突を発見した。東京より少し太いそれは、もしかして、銭湯ではなく、工場ではないかと思うほどだった。その煙突に向けて歩いていくと、やはりそこは銭湯だった。
ビルの1階にある銭湯は暖簾も看板も出ておらず、味も素っ気もない外観。アールデコ調とは言わないまでも、もう少し洒落た店構えはできなかったと思うのである。
入口はアルミサッシである。看板は頭上に辛うじて掛かっており、それがなければ、まったく何のお店か分からないところである。
看板には「清川湯」と書いてある。

そのサッシをおそるおそる開けてみた。すると、中は一応銭湯の体裁を整えていた。下駄箱も従来の体である。その向こうの引き戸も木になっており、それを引くと手前に番台があって、おばちゃんが座っている。
入浴料は350円。東京よりも100円も安い。
しかしながら、おばちゃんの愛想は全くない。一言も発しないまま、オレが支払った金を小銭ケースに並べている。

ちょっとくたびれてはいるが、中は普通の銭湯だった。
脱衣所にはロッカーの他に籠もみえる。浴場に入ると客は僅かに一人だった。

残念ながら、浴場の記憶が一切甦ってこない。
覚えているのはケロリンの洗面器くらいなものか。
浴槽のスタイルはオーソドックスな2槽並列式。お湯は極めて熱く43度くらいだったと記憶している。ペンキ絵がどんなものだったか、ちょっと記憶にない。
だが、外は冬の様相を呈していたので、しっかり温まっていこうと、長風呂をした。
その間、お客は誰一人現れなかった。
貸切のようで、リラックスできた。

帰り際、おばちゃんに一応挨拶をして帰ろうと思った。
無視されるかもな。
と思いきや、彼女は極めて小声で「どうも」と言った。
きっと、シャイなおばちゃんなのかもしれない。
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2 コメント

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銭湯の番台 (ふらいんぐふりーまん)
2011-02-02 22:09:09

 現代コンビニの店員の機械的な愛想をはるかに超えたレベルで、時として銭湯の番台も、言葉を全く発することなくマシーンの様に入浴料のみ集金するだけのところがあるね。

 ただ俺のように、同じく全く愛想のない輩にとっては、その方が良かったりすることもあるんだよなあ・・・。

 けど、いらっしゃいとか、まいど位は確かにあってもいいよね、商売やってんだし。

 それにしても師にして殆ど浴室内の記憶がないって言うのは、余程なんもインパクトのない普通の銭湯だったんだろうね。

 それでなくても銭湯に行く人がいない昨今、何らかの付加価値とか、特徴がなければ、廃業するしかない状況に公衆浴場業界も置かれてるから、大変だよね。

 個人的には銭湯、嫌いじゃないんだよなあ。けど、経営維持に役立つ程は行ってあげられてないんだよなあ・・・。

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コミュニケーション (熊猫刑事)
2011-02-03 00:15:48
銭湯の番台の人ってけっこう変わってる人が多いと思う。人の裸を見るのだから、余りはしゃいでいても困るけれどね。
以前、京都で行った銭湯のおじさん、「おおきに」としっかりと挨拶忘れなかったね。
京都の銭湯に、また行きたいよ。

銭湯はもの凄い勢いでなくなっているからね。なくなる前に早いとこ行っておきたいのだけれど、なかなか行く機会ないよね。

明日、出張先で行ってみようかな。
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