名古屋駅の新幹線ホームにたたずむ、きしめん屋がおいしいと言う人がいる。
だが、わたしはそう思わない。
新幹線ホームはばたばたしすぎている。新幹線が来るまでの時間に、サッときしめんを食べてしまおうと思う人がいっぱいいるらしい。
そんなバタバタする中で食べたら、おいしいものもおいしくない。そもそも、混雑している中で忙しなく食べるのが嫌いなんだ。
それならば、在来線のホームにあるきしめん屋で食べるのが一番だ。だいたい、お店は空いているし、ビールだって、人目を気にせずに飲める。
名古屋に行くと、たいがい「名代きしめん 住よし」に入る。店のトレードマークの歌舞伎カラー、或いは湘南カラーとも言おうか。
ともあれ、「住よし」は各プラットホーム毎にあるから便利だ。
6月の中旬、多治見に出かけた帰り、東海道線(5,6番線)のホームで「きしめん」を食べた。
340円。
with生ビール(380円)。
いつも思うのだが、住よしの「きしめん」はつゆが黒い。さすがに東京の蕎麦ほどではないが、初めて食べたときは、こんなに黒いものなのだろうかと首をひねった。
濃い口のしょう油でめんつゆを作っているのだろうか。味もやや辛い。
麺はやや柔らか目。でも、それほど気になるものではない。
だが、やっぱりおいしい。
さて、翌週、また名古屋に用事ができた。
岐阜から戻って、ホームを降りると、ホーム中ほどにきしめん屋が。
「かきつばた」と書いてある。
人と会う約束まであと15分しかない。
仕方ない。今日は「かきつばた」にするか。
「住よし」は食券を購入するが、「かきつばた」は声でオーダーする。おっかなさそうなおばさんに大声で「きしめん」と言う。
すると、「どのきしめんですか?」と返ってきた。いや、何も言わないんだから、普通はプレーンって分かるんじゃないかな?
「かけ(きしめん)で」と答えると、何も返事がない。そんでもって、かかってきた店の電話には、大声で世間話とかしてるんだから。
この「かけきしめん」は340円。当然、「住よし」と同額。
さてなんだかんだ言いながらも、「かきつばた」の「かけきしめん」はおいしかった。
「住よし」とは異なるつゆの色。その色は断然薄い。でも、ほんのり香ばしい鰹出汁。麺はちょっと湯がきすぎか。
「住よし」の方が若干歯ごたえがある。2人の店員が、いつしか若いお姉さんも加わって3人に。14時を回りそうなこの時間に3人体制って。
この怖そうなおばちゃんが店を牛耳っているのか。
おつゆは断然、「かきつばた」。
麺は僅差で「住よし」。
お店の態度は。「住よし」だろうな。
でも、「かきつばた」には「ホッピー」が置いてあった。ちなみに「住よし」は「チューハイ」(300円)だ。しかも、この「チューハイ」が恐ろしく甘い。
この勝負、ドローかな。
今度は、「かきつばた」でホッピーでも飲もうかな。
「住よし」はいずれ「居酒屋さすらい」にも登場予定。
噂では「住よし」の店舗、ホームによって、メニューが違うらしい。
そんな、楽しみも名古屋駅にはある。
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