しこたまワインを飲んだのに、なんだか飲みたりないのか、東十条を降りて向かったのは土鍋の店。今度は「香港亭」が開いているのを確認もしなかった。
とにかくホッピーが飲みたかった。
店に着くと、店内は4日前より空いていた。そしていつもの2人掛けの席に通される。この店はこれで3回目だが、いずれも同じ席だ。
メガネがチャーミングな小姐に「ホッピー」白を告げた。
自分の右隣のテーブルには男女が座っていた。気になったのは男がやや怒気を含んだ声で話していたからだ。男は女に領収書のことを問い詰めている。女はなるべく淡々と話すように努めていた。
さて、何を食べようかとメニューを繰ると、「ホッピー」にぴったりな一品を見つけた。「レバーフライ」。うん、これはいい。
メガネの小姐に好感が持てるのは、ちょっとした田舎臭さなのかも。プレモダン的というか。そして中国特有のツンデレ感。
懐かしい感じ。中国の女の子って、そんな感じだった。だからちょっと油断するとすぐに好きになっちゃいそうだった。そういう嗜好って自分の中にあって、だからこのメガネっ娘がきになっちゃうのだろう。
さて、自分の右側に座る男女は微妙に修羅場だった。男の放つ怒気も抑え気味だったから、まだ平静さを保っていたが、会話からはいつ偶発的な衝突が起こるのかはなんとも予測出来なかった。
そうこうするうちに「レバーフライ」が運ばれてきた。運んできたのはメガネっ娘。ニコリともせずテーブルに皿を置くのだが、本場中国の人と違うのは、乱暴さがないところ。一応、気は遣っているみたいだ。
そして、この「レバーフライ」がバカうまだった。
「晩杯屋」のそれはやや臭みが残っていたが、この店のレバーは下ごしらえがしっかりしているのだろう、臭みはなかった。やはりこの店の厨房、なかなか出来るな。
すると、自分の目の前の席に妙齢の婦人がひとりで座った。ちょっと気取った熟女である。驚いたのは、そのセレブっぽくしている婦人が慣れた感じで、「ホッピー」をオーダーしたのだ。むむむ、なかなかやるな。
少しすると旦那さんらしき人が現れ、マダムの向かい側に座った。そうだよな。セレブ婦人が一人で「ホッピー」は飲まないよな。
さて、自分の右隣は段々険悪な状況になりつつある。心無しか、男の声が大きくなっているような気がする。しばらくすると男女は会計をして出ていった。男の歩き方からすると、だいぶ酔っているみたいだ。2人の間に剣悪な雰囲気が漂っていた。
さて、今宵はもう飲みすぎだ。「中」のおかわりは一回だけに留めて帰ろうか。
お会計は驚愕の900円台。やっぱり安い。
この店、来るたびに何かを目撃し、来る毎に何かを発見してしまう。
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