「北海道電話交換創始の地碑」のすぐ隣に、また変わったものがある。
はじめ見た時は燭台だと思った。
どうも違うらしい。
碑を読むと、「Benson Fountain(ベンソンの水飲)」とある。
「すいいん」、それとも「みずのみ」。
読み方はよく分からないが、ともかくこれは公園によくある水飲み場の機械である。
「Benson Fountain」を直訳すると、ベンソンの噴水になるが、日本で言う噴水とはちょっと違う。
ちなみに英語のwikipedhiaを参照すると、「Benson Bubblers」と出てくる。聞きなれない英語だ。
日本にある水飲み場は大概ひとつだが、このベンソン式は4つも蛇口が付いている。
そもそもベンソンとは何だろう。
碑文を読んでみると、どうやらベンソンとは人の名前らしい。サイモン・ベンソンさん、アメリカ、ポートランドのお金持ち。
1912年にこの水飲みを作り、ポートランド市に寄贈したという。札幌市と姉妹都市になったコロラド州のポートランドが、姉妹都市30周年を記念し1966年に札幌に贈ったものだという。
ちなみにベンソンさん、ポートランドにホテルも建設した。その名もベンソンホテル。やはり、wikipediaによると、歴史的にも重要なホテルであると記されている。多くの著名人が宿泊するとともに、1986年に合衆国の国家歴史登録財に登録されている。ベンソンさんはすごい人なのだ。
ところが、この大通公園にある水飲は誰にも注目されず、ひっそり余生を送っているように見える。実際に水が出るかも不明だ。もはや遺物と化している。2013年にレポートされた百瀬伸夫さんの記事によれば、ベンソンさんの水飲は今もまだ現役のようだ。しかしながら、札幌のそれはもう公園の片隅に追いやられている。
何やら、少し寂しい気持ちにすらなった。
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