甲府の夜は激寒だった。雪予報の天候のためか、それともせんべい布団のせいか、一向に体が温まることなく、朝を迎えた。
甲府は雪。
8:30、始動。南アルプス市にて撮影。その時点で積雪5cm。
10:30に終了し、静岡県裾野へ。
果たして辿りつけるか。当初の予定では中央自動車道西宮線を行く予定だった。
「メルセデス、180km出ますから」とM永さん。「裾野まで1時間で着きますよ」と言っていた。ところが、積雪で中央自動車道は通行止めに。仕方なく、八王子まで出る迂回ルートをとることになった。大月インターまでは高速でもうっすら積雪していたが、それに怯むことなく、M永さんは120kmでクルージング。
頼もしい。
車内ではM永さんの話しをたくさん聞いた。それは修羅場を潜ってきた人生だった。お金を出しても聞けない話しである。まるで、それは自分の未来にエールを送ってくれているようでもあった。
第二東名に入った頃、雪は雨に変わっていた。
そして13:00、クルマは裾野インターを降りた。
次の取材は14:00。なんとか間に合った。しかし、どんな状況にあっても、しっかり間に合わせるのが、この人らしい。無敵の男。
「この先にね。カレー屋があるんですよ」。
クルマで何回も来てるんだな。いや業界人だったら、必ず来るところだから、それは驚くことではない。自分も裾野の某所は今回で4回目だ。
そのカレー屋は通り沿いに突如として現れた。
カレー屋って、町インドだったか。しかし、こんな立地でやっていけるのか。「帰れマンデー」だったら、救世主のようなお店。
しかし、まさかこんな展開になるとは。まさかM永さんと町インドに入るなんて。8:30から、ずっと緊張が続き、14:00から予定するインタビューも、大企業の社長さんが出てくる。第二ラウンドもまたシビアだ。
「バターチキン」をナンでいただく。
カレーは本格的で、スタンダードな辛さをオーダーしたはずなのに、やたらと辛かった。味わう時間もなく、M永さんの話しは続く。
今日は朝からジェットコースターのような一日だった。そして、まだ一日は終わらない。自分は多分、一生この日を忘れることはないだろう。それほど濃厚で、意味があり、大きな仕事が重なった一日だった。それはまるでこのお店のカオスのようなカレーと同じような気がした。
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