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「町インド」さすらひ 011 - ぽつんと一軒カレー - 「王様のカレー 裾野店」(裾野市今里)

2023-03-20 21:47:17 | 「町インド」さすらい

甲府の夜は激寒だった。雪予報の天候のためか、それともせんべい布団のせいか、一向に体が温まることなく、朝を迎えた。

甲府は雪。

8:30、始動。南アルプス市にて撮影。その時点で積雪5cm。

10:30に終了し、静岡県裾野へ。

果たして辿りつけるか。当初の予定では中央自動車道西宮線を行く予定だった。

「メルセデス、180km出ますから」とM永さん。「裾野まで1時間で着きますよ」と言っていた。ところが、積雪で中央自動車道は通行止めに。仕方なく、八王子まで出る迂回ルートをとることになった。大月インターまでは高速でもうっすら積雪していたが、それに怯むことなく、M永さんは120kmでクルージング。

頼もしい。

車内ではM永さんの話しをたくさん聞いた。それは修羅場を潜ってきた人生だった。お金を出しても聞けない話しである。まるで、それは自分の未来にエールを送ってくれているようでもあった。

第二東名に入った頃、雪は雨に変わっていた。

そして13:00、クルマは裾野インターを降りた。

次の取材は14:00。なんとか間に合った。しかし、どんな状況にあっても、しっかり間に合わせるのが、この人らしい。無敵の男。

「この先にね。カレー屋があるんですよ」。

クルマで何回も来てるんだな。いや業界人だったら、必ず来るところだから、それは驚くことではない。自分も裾野の某所は今回で4回目だ。

そのカレー屋は通り沿いに突如として現れた。

カレー屋って、町インドだったか。しかし、こんな立地でやっていけるのか。「帰れマンデー」だったら、救世主のようなお店。

しかし、まさかこんな展開になるとは。まさかM永さんと町インドに入るなんて。8:30から、ずっと緊張が続き、14:00から予定するインタビューも、大企業の社長さんが出てくる。第二ラウンドもまたシビアだ。

「バターチキン」をナンでいただく。

カレーは本格的で、スタンダードな辛さをオーダーしたはずなのに、やたらと辛かった。味わう時間もなく、M永さんの話しは続く。

今日は朝からジェットコースターのような一日だった。そして、まだ一日は終わらない。自分は多分、一生この日を忘れることはないだろう。それほど濃厚で、意味があり、大きな仕事が重なった一日だった。それはまるでこのお店のカオスのようなカレーと同じような気がした。

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