東京メトロ南北線の王子神谷駅は比較的新しい駅なので、老舗の菓子屋さんがない。だから、ちょっと手土産が必要な時、結構困る町である。東十条には老舗の「草月」があるが、いかんせん有名すぎて並ばなければならない。有名じゃなくていいから、ちょっとした菓子屋さんがないかなとよく思ったものである。
その日は後楽園で乗り換えだった。だから、後楽園近辺で買える手土産を検索したら、「岡埜栄泉」がヒットした。和菓子の老舗である。その日は「豆大福」を手土産にした。営業先にそれを差し上げたら、自分にも一つお裾分けがあり、それを持ち帰って、うちで食べた。
重量感のある「豆大福」である。サイズが大きいという指摘もある。だからまるまる一個食べると夕飯に響くともいわれる。それでも食指が伸びるのは断然うまいからだ。しかもビッグな見た目は文字通り福々しくあり、幸せのオーラに包まれている。白と黒豆のツートンにかぶりつくとたっぷりとこしあんが詰まっていて、またもや幸福感が満ちてくる。
岸朝子さんによると「岡埜栄泉」は江戸時代の創業で、明治には店をたたんだという。今ある、「岡埜栄泉」は暖簾分けの店舗で、それぞれ独立しているという。総本店は虎ノ門にあり、そちらが有名だ。今回「豆大福」を購入したのは春日にある店舗。作ったのは恐らく小石川のお店と想像する。小石川には立派な茶楼もあり、そちらも気になるところ。
ともあれ、今や宮城県にもある「岡埜栄泉」の看板は「豆大福」で、江戸からの味を今に引き継いでいる。
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