4月26日。緊急事態宣言が発出されて2日目。
代々木公園から渋谷へ。
まずは「チャイスタンド」へ行ったのが、お店には貼り紙がなく、どうもやっていないっぽい。仕方ない。ちょっと渋谷を探検するか。
立ち飲み「ゆみちゃん」。どうやら休業。でも店頭には貼り紙がない。
準備をしているお店がぽつぽつと見られる。
「あばら家別館」もその一つ。果たして、酒の提供もするのだろうか。もう少し行くと、またもや営業中の酒場を発見。「バカ息子 長男」である。店頭に営業中とあり、店内も騒々しいが、酒の提供があるかは不明。とりあえず、通り過ぎた。
センター街近くの「兆楽」に行ってみたが、しっかり酒類の提供はなし。道玄坂の方で探検を企てたが、途中で諦めた。居酒屋はことごとく休業している。それならば仕方ない。「バカ息子」を取材してみるかと、また道を戻ると開いてそうな雰囲気の酒場があった。おやと思って看板を見ると「タスイチ 渋谷店」だった。渋谷の立ち飲みとして、マークしていたお店だ。まるで偶然、導かれるように店に着いた。
店に入り、店員さんに、
「飲めますか?」と尋ねた。すると店員さんはあっけらかんとして、こう言った。
「飲めますよ」。
一体、どういうことなんだ。
そのままカウンターにポジションして、「焼酎ハイボール」(400円)をオーダーした。
運ばれてきた酎ハイを一口飲むと、確かに酒だ。いやはや、まさかこんなに簡単に渋谷で酒が飲めるとは思っていなかった。
つまみは、「アメリカンドッグ」。巨大な芋虫のような、そんな「アメリカンドッグ」だ。
お店はバーのような雰囲気だった。昔、上野の丸井の傍に、同じ店名のお店があった。いかにも立ち飲みといった風情の店だったが、この「TASUICHI 渋谷店」の雰囲気とは似ても似つかない。店内にはジャスティンビーバーの曲がかかり、カウンターにはギターが二本飾られている。アコギとZO3。若い客は店員に、「レッドブルウォッカ」なるものをオーダーした。
退廃的だ。余りにも雰囲気が退廃している。
支払いはキャッシュオン。久々にこのスタイルの立ち飲みを見た気がする。
酎ハイをおかわりして、しばらく頭上のテレビに見入った。ニュース番組は「路上飲み」なる現象を報道していた。以前、小欄にて規制の結果は市場経済が示すことを書いた。戦時下などの非日常時、いやレギュレーションと新しいビジネスの関係も、全てそれで説明できる。そこに市場のニーズが生まれるのだ。決して路上飲みを礼賛している訳ではなく、そうした動きが出てくるのは仕方なく、それは政治が正常ではないことを意味している。
今、居酒屋界では持ち込みOKや場所代をとる店が出てきたという。「居酒屋さすらひ」では、そうした店の動向まで追えていない。今回は要請に応じず、実力行使をするお店を見つけた。いとも簡単に。
3杯目の酎ハイと「ポテトフライ」を追加。
これできっかり2,000円。本来なら飲めないはずのシチュエーションで酒を飲む。背徳感はあるけれど、充足感もある。
あと2週間、緊急事態の行く末やいかに。
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