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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
月明りも 雲もない夜に、C11鏡筒ついに開眼 !?
2024年11月05日
|
機材
8月に突然
J-APA
(上越天体写真友の会)のお仲間から託された
30年間使われずにいた大口径28㎝の
C11鏡筒
。
当初は わたしのEM-200赤道儀に搭載する事すら無理と考えていたのですが、
他のお仲間から赤道儀搭載用のパーツを提供していただいたのがきっかけとなって、
この鏡筒でなんとか天体写真を撮影するべく、
課題の検証と対策をおこなってきました。
そして最大の課題であった補正板への
結露
対策の目途もつき、
あとは「月明りも雲もない星空」を待つだけだった
C11鏡筒
の本番撮影。
半ばあきらめていた新月期の連休中日の3日(文化の日)にその夜が訪れました。
薄明終了の2時間後、まだ灯火で明るい空で撮った最初のタイトルは
ケフェウス座の
NGC6946銀河
でした。
NGC 6946
(ケフェウス座)
( 画像の上が 北の方向になります )
撮影DATA : 2024/11/ 3 20:12’~21:30’
Celestron
C11+Red(F6.3)(合成fl=1,764㎜)
露出30秒 × 128枚 (総露光64分)
Gain
400
Offset 8 UV・IRカットフィルター
ASI533MC Pro
(冷却-10℃)
タカハシ EM-200 Temma2M(*ノータッチガイド)
ステラショット3
(導入・撮影)
ステライメージ9
(画像変換・トーンカーブ)
*ダーク減算処理のみ実施しています
すでに南中から3時間以上も経って高度も下がっていたこの銀河をこの夜の最初のタイトルに選んだのは、
これまではこの銀河は 北側にある散開星団NGC6939と2ショットで撮ったいたので、
レデューサーを付けているとは言え それでも長焦点のC11鏡筒で単独撮影してみたかったため。
(ほかには、すばる望遠鏡が撮ったこの銀河の写真がわたしのお気に入りだったこともあります)
比較するため 当ブログで過去に撮った写真を探してみたところ、
9年前に今回とほぼ同じ焦点距離の
VC200L鏡筒
(Fl=1800mm)
でこの銀河だけを撮った画像を見つけました。↓
(
□
の枠内が今回撮影した画像の範囲になります)
撮影したカメラはAPS-Cのデジカメで、オートガイドで20分露光を4枚コンポジット。
総露光露光時間は今回の30秒露光128枚コンポジットを上回っています。
9年前のこの画像のブログ記事は こちら
⇒
Temma 2M検証の続き(土星動画撮影とNGC6946)
薄明が終わって2時間ほど経っていますが、灯火でまだ空が明るい「只今撮影中」ショットです。↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さな
□
が今回の撮影範囲です )
2024年 11月 3日 20時37分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600
ソフトフィルター使用
kiss DX(SEO-SP2)
三脚固定撮影
*右側が明るいのは、近くの公園の防犯灯によるものです
結局この夜は朝まで快晴で今回の掲載画像を含めて6タイトル撮影する事ができたのですが、
実は今回の撮影から新しい試みを試しています。
それは
同期補正によるノータッチガイドの画像ずれの抑制
について
「編集後記」の後に記載してありますので、興味のある方はご覧ください。
= = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = =
今回の撮影を行った11月3日(文化の日)は昼間から晴天だったので、
「上越清里 星のふるさと館」へ娘夫婦と孫娘 それと家内と出かけてきました。
今年は4月からずうっと私の写真展が開催されていましたが、
ふるさと館が今月末で冬休みに入る前に見てもらうことができました。
孫娘は昨年「中秋の名月」鑑賞会でも来ていますのでふるさと館は2回目になります
にほんブログ村
↑
いつもポチッとありがとうございます。
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同期補正によるノータッチガイドの画像ずれの抑制
について
C11鏡筒
(
+F6.3レデユーサー
)を使った私の星雲・銀河の撮影方法は、
ノータッチガイドでも星が流れて見えない30秒露光で、32枚を1セットとして
4セット(計128枚)を基本に撮影する。
というもので、
リアルタイムでスタックしながら電視観望もできる
ライブスタック
でもなく、
ごく短時間露光で すごい多数枚撮影して処理することで超解像度の写真を得る
ラッキーイメージング
でもない、
▲ ほどほどの
30秒露光
・・・赤道儀のノーッタチガイドで流れが目立たず、露光時間が稼げる妥協の値
・
▲ ほどほどの
1セット32枚撮影
・・・現在のPCでCMOSカメラ ASI 533MC画像を一括処理できる枚数
で撮った画像が今回の画像になります。
これまでは総露光時間2時間越えが基本だったのですが、
大口径の
C11鏡筒
なら総露光時間1時間余の この
妥協的撮影方法
でもいけますね。
また前置きが長い悪いくせが出てしまいました。
サブタイトルの
ノータッチガイドの画像ずれ
対策についてです。
30秒露光の一枚画像では星の流れはわかりませんが、オートガイドなしで32枚も連続撮影すると
さすがに写野がずれてきて、それを4セットも繰り返すと無視できないずれとなります。
先月20日に撮ったバブル星雲の4セット分の累積画像ずれです ↓
こうなるとトリミングするしかなく、そうでなくても写野の狭い533MCカメラではつらいものがあります。
そこで1枚ずつは無理でも、せめて1セットごとにずれを補正する事にしました。
(注)わたしが撮影で常用している
ステラショット
の「
導入補正
」機能を使えば
いとも簡単に写野のずれを補正できるはずなのですが・・・
なぜか、C11鏡筒の撮影画像を使っての「導入補正」が成功した試しがありません。
(この原因が分かる人がいたら教えてください)
ステラショット
の「
導入補正
」がうまく行かないので、苦し紛れに考えた
以下が私が使っている
ステラショット
を使った場合の手順です。
尚、わたしの場合は事前に撮影対象ごとに写野の中心座標を記した「導入Map」を作成してあります
今回の撮影に使用した「導入Map」↓
( PCでご覧の方は画像クリックで拡大表示できます )
手順
①
. あらかじめ今回撮影する写野の中心座標を 望遠鏡/
座標指定
で設定しておきます。
(
導入はまだしないこと!
)
手順
②_1
. 撮影対象に近い星を導入して、
ライブビュー
で見ながら 望遠鏡/
微動
で写野の中心に移動させます。
・・・
手順
②_2
. 中心に導入した星を
星図
上でクリックして、望遠鏡/天体導入/
同期
をかけます。
・・・・・・・・・・・
手順
➂
. ここで 望遠鏡/
座標指定
を開き、念のため
星図中央
で設定誤りのない事を確認して、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
撮影写野の
導入
を行います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手順
④
. 導入のための移動が終わったら カメラ/ を開いて各撮影設定を確認して、
撮影を開始
します。
・・・・・・
手順
⑤_1
. 設定した撮影枚数(1セット分)の撮影が終了したら、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最初に使用した近くの星をクリックして 天体導入/
導入
をかけます。
・・・・・・・・・・・・
手順
⑤_2
.
ライブビュー
で星を表示させると、設定枚数のノータッチガイドでずれた分だけ中心から外れているので、
手順
②_1
.と手順
②_2
.と同じように星の位置を写野中心に戻して
同期
をかけなおす。
・・・・
手順
⑥
. 再び 望遠鏡/
座標指定
を開き、撮影写野の
導入
を行う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これ以降は、撮影セット数分だけ同じことを繰り返すことで、
ノータッチガイドによるずれを1セット分だけに抑える事ができます。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------
この方法を使ってコンポジットした、今回の画像の4セット分(64分間)のずれになります。 ↓
赤緯方向(表示画像の左右)にズレによる影が発生していますが ごくわずかでした
ステラショット
の
導入補正
が使えれば、こんな面倒な事しないで済むのですが。
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