雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

AutoStakkert 初体験でわかったこと(月面動画処理)

2018年06月02日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
前回に引き続き 先月24日撮影の月面の動画処理によるモザイク撮影です。

前回は北部だったので、今回は中部を。
モザイク撮影のためのパターン合成画像です。↓
当日は直前に撮影した1枚画像を使用したのですが、ブログ用はコンポジットした背景に差し替えました

6カットの2分間動画を処理したのち結合したものです。
( 画像クリックで元画像の50%縮小表示となります )
DATA: 2018/05/24 20:35'~(2分間動画)× 6モザイク VC200L+EF2x(合成f=3,600mm) ASI 224MC
FireCapture(録画) AutoStakked(1000フレーム/約4000フレーム) RegiStax6(Wavelet処理)
モザイクがうまくつながらなかった理由は、月の移動方向がモザイクパターンの向きとずれていたため

モザイク画像は大きくて大変という方はこちら 
( モザイク前の1カット処理後画像です クリックで等倍画像表示 )
夜明けのコペルニクスクレーター ↓
ヒギヌス谷 付近 ↓

録画は FireCapture を使っているのですが、撮影動画の処理については
今回初めて AutoStakkert を使用してみました。

AutoStakkert は動画のスタックだけを行ってくれるソフトです。
これまでは使っていた RegiStax 6 より、直感的にわかりやすいソフトだと思いました。
以下 その手順を記します。

1.Open
1) OPen で処理する動画ファイルを読み込みます。
・ 月面のように画像が全体に広がっている場合は Surface、 惑星の場合は Planet(COG) を選択。
・次の Expand 、Cropped問題が発生 しました。
Expand・・・周辺部で画質が落ちても できるだけ大きいサイズで作成・・・・・・・・・
Cropped・・・アライメントポイントのある領域だけで、画質良好だがサイズは小さくなる
月の動画で説明すると
地球の周りを回る月の運動のため 恒星時運転の赤道儀では月はどんどん遅れていきます。
わたしの撮影機材の場合の2分間の動画画像の変化です
CMOSカメラの取り付け向きは 月の移動方向とほぼ合っていたようです
この動画を
Expand で処理したもの ↓
Cropped で処理したもの ↓
録画時間が長いほどクロップ画像は小さくなっていきます
月の動画モザイク撮影では録画中に月が移動していくため、重複エリアを含めた写野決めが難関です。
このため 画質の低い周辺部は後でカットできるとして
モザイク結合に余裕のある Expand で最初は処理していました。
ところが、明るめで良好と思われる動画に限って処理の最後に以下のエラーが発生。
意味も調べず、よくあるメモリー不足に起因するものかと
アライメントポイントを減らしたりしてもエラーはなくなりません。
ここでやっと和訳してみたところ・・
無効な浮動小数点処理のため、実行を停止しました」 との事.。
明るい画像に限って発生していることから
前半、後半で画像の無い端の部分の計算処理で無理が生じているのでは・・ と勝手に推測して
Cropped に変えて処理たところエラーは発生しなくなりました。
よって 今後は Cropped で処理することに決めました。

長くなりましたので、先を急ぎます。
2.Analyze
2) Analyze をクリックします。
すると動画フレームの分析が行われ、品質が良好な順にフレームが並べ替えられます。

3.アライメントポイントの設定
AP Size を設定します。 (小さいほど細かい指定になります)
Min Bright を設定します。 (どこまで暗いところに点を打つか)
Place AP grid をクリックするとアライメントポイントが表示されます。

4.スタッキング
スタック開始前の設定
Stack Option パネル でスタッキング後の画像の保存形式、
スタッキングに用いるフレームの範囲(フレームの絶対数またはパーセンテージで指定)
を設定します。
RGB Align で色ずれの補正もしてくれます。
最後に 3) Stack をクリックするとスタッキングが始まります。
スタッキング後の画像は、元ファイルのあったフォルダ内に新しいフォルダが作られ、
そこに自動的に保存されます。
スタック処理が終わりに近づいたころの画面です。

初めて使った AutoStakkerd でしたが、以下のサイトが大変役にたちました。
Autostakkert!2の使い方

次回は RegiStax 6 によるウェーブレット処理の予定です。
この夜に撮った木星画像もお見せします。

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先日 99歳で亡くなった母からお小遣いをもらいました。
形に残るものという事で、こんなものをポチッてしまいました。
届いたもののヒントは、 ハヤタカメララボ ・ 中古 ・ フルサイズ ・・・
どう使うかは これから考えます。

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4 コメント

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カメラ (ともぞう)
2018-06-02 23:55:59
ハヤタカメララボで中古のフルサイズ・・・はて、最近似たことを体験したばかり。
私は、ハヤタで中古の6Ⅾの改造を購入しました。
赤い系のものは赤が強く出ますねー。
このカメラで撮ったものを見せてください。
返信する
できればモザイクも (雲上(くもがみ))
2018-06-03 08:48:50
ともぞうさん おはようございます。
わたしも同じものになります。
どう活用するか思案中ですが、ここは久々にサンニッパ・ヨンニッパの出番かな
と考えております。
最大の問題はお天気と月の太り具合でしょうね。
返信する
参考にさせて頂きま~す! (ベルスター)
2018-06-03 10:09:36
雲上さん おはようございます。 Autostakkertの解説ありがとうございます。
次回惑星撮影時は解説を参考にAutostakkertを使ってみたいと思います。

雲上さんもフルサイズ行っちゃいましたか...
私も欲しいとは思うんですが、APS-CでもFS-60CBにレデューサーで直焦点は十分な気がするし、カメラレンズだと庭撮りの場合、電線や木々が邪魔になるし、撮影場面を考えるとなかなか決断ができずです ^_^;
鈴鹿は、週明けには梅雨に入りそうです。
ポチらないよう気をつけねば...ハハハ
返信する
わたしもずっと躊躇(ちゅうちょ)してたのに (雲上(くもがみ))
2018-06-03 13:17:51
ベルスターさんこんにちは。
AutoStakkert 木星でもやってみたのですが、一部の画像で例のエラーが発生しました。
撮影の機会があったら試してみてください。

たしかにフルサイズはわたしも躊躇していました。
長焦点にフルサイズはナンセンスだし、R200SSではAPS-Cでも周辺部で星像がくずれ始めているのに・・・
ここはやはりずっと出番のなかったサンニッパ・ヨンニッパ専用にしようかな?(ひと昔前の旧FD仕様の中古レンズです)
ベルスターさんもポチッ、気を付けてくださいね。
返信する

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