雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

月の静止画は、ASI533MCとAviStackで決まり!?

2023年10月24日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
記事の流れで行けば 前回記事の続編になるのですが、
一昨日(22日)の夕方 上弦の月が見えていたので急遽機材を設営して撮影。
西からじきに雲がやってくる予報でしたが、
電柱や電線群と薄雲の間隙を縫って高度低めの月を撮影しました。

ライブビューで見る月面はかなり揺れていたので、
エクステンダーによる拡大なしでVC200L反射鏡筒で撮影。
カメラは購入して約半年のカラーCMOSカメラASI533MCで、ユニティーGainの100の他に
初めてGain30でも撮影。(実はGain0でも撮ったのですが、撮影中に雲が通過して使えず)
昨日1日かけて画像処理を行ったのですが、思わぬ収穫がありました。

初めてユニティゲインより低いGain30で撮った上弦の月です。
(クリック箇所により北部・南部に分けて 元画像の60%サイズで表示)
撮影DATA : 2023/10/ 22 19:50’ Vixen VC200L(合成fl=1,800㎜)
露出0.05秒(1/20秒相当) × 32枚 ×2モザイク Gain30 ASI533MC Pro タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影) ステライメージ9(画像変換・トーンカーブ) AviStack(コンポジット・ウェーブレット処理)
マイクロソフト Image Comosite Editor(モザイク結合)

露出時間も同じでGainのみ ほぼユニティーゲインの102で撮った画像と比較してみました。

(いずれも等倍表示の画面コピーを使用)


( Gain102の撮影時は薄雲の通過があったようで 少しボケ気味です )
ほとんど同じような画像となりましたが、Gain102の方は明るい部分の飽和が目立ちました。

コンポジットが終わった画像のヒストグラムからも Gain102が露光オーバーであることが見てとれます。↓
撮影画像ですでに飽和(白飛び)していたのでは、処理のしようがありません!!

今回の検証結果では、ユニティーゲイン100飽和しない露出時間での撮影が良いという結論に。
( *ASI533MCの特性図では Gainが100より下がると読み出しノイズが大幅に増加しています )

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回の記事の冒頭に”思わぬ収穫が・・”と書きましたが、
それは月の画像処理に最適なAviStackが息を吹き返したこと。

AviStack は月の写真を撮りだした10年くらい前から
月の静止画像のコンポジットには、これに勝るものは無い!
とほれ込んで使ってきました。
特に処理の過程で現れるアートフルな画像は、単なる画像処理ソフトの域を超えています。↓

おなじみのRegiStaxでも月の静止画像のコンポジットは可能ですが
AviStackは大気でゆらぐ月面の画像を無数の細かいエリアに分割し、
各画像を越えて そのエリア毎に良否判定を行って重ね合わせていくという、信じられない処理を行っています。

ところが撮影画像の枚数が増えたころから
最後のスタック処理が終わると警告メッセージが出て終了することが多発.。 ↓
>
警告文の中に”memory" の文字があることから 「PCのメモリの不足」と思い込んでいたのですが
今回の「上弦の月」の処理で原因が別にあったことがわかりました。
それは・・ (興味の無い方は読み飛ばしてください)
AviStackでは最初に基準とする画像を選んで基準点を指定するのですが
その基準を元に無数の小エリアの基準点も作成されます。
”警告”は画像の中でその基準点の一部がないものがあることから出されたものでした。
なぜ一部の基準点がない画像が発生するかですが
月は星とは別の動きをしており、赤道儀で追尾していても次第にズレていきます。
その結果、はじめに指定した基準画像の基準点の一部(画像の端)が撮影中のズレのため無い画像が発生する。
という訳です。
”警告”を出さない方法としては、各撮影画像からズレる方向を見極め
全画像を通じてズレても隠れない側(最初か最後)の画像を基準画像に選択する。

この”警告”の意味と対策がわかった結果
なんと533MCの画像の場合32枚一気にコンポジットができました。
もしかしたら64枚でも可能かも?(次回 試してみます)

先月撮った「中秋の名月2023」の処理の際もこの警告が出るのが理由でRegiStaxで処理を行っています。
今回 AviStackでも処理をしてみましたので比較してみます。
比較用画像はまだあるのですが、AviStackが見掛け倒しでないことはわかってもらえたと思います。
もう月の静止画でRegiStaxの出番はないでしょう。

もののついでにAviStackで処理しなおした中秋の名月2023です。
( 画像クリックで当ブログ最大サイズでご覧ください・・・といっても元画像の38%に縮小していますが )


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先週の土日は地元上越市で「第18回越後・謙信SAKEまつり2023」が
コロナ禍で〇年ぶりに開催されました。
土曜は雨で心配されたのですが、日曜は晴れたので
日本酒には詳しい娘と高田まで出かけてきました。
会費を払ってもらったおちょこで試飲して回るのですが、
これだけでも結構ほろ酔い気分に。
食べ物店の出店も多くて 家族連れで大賑わいでした


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