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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
三度目の検証で魔物現れず、しかし・・
2015年03月22日
|
それでも星は流れる
より頑強な鏡筒バンドを購入して完璧と思われたガイドシステムに
二夜連続で発生した原因不明の星像の流れ。
未だ原因が特定できない中、取りあえずできることだけやったのですが
(前回記事参照)
早くもその効果を検証する機会が訪れました。
GPV予報によると昨夜(21日夜)、日が替わった頃から朝までずっと晴れるとのこと。
明るい内から自宅裏口に設営を終えていたのですが、
薄明が終わる頃には木星と明るい星だけが見えてきました。
( 画像中央部の赤いモヤは発光ダイオードのゴーストのようです )
肉眼では北極星も見えないようなひどい空だったのですが、
ガイドの検証くらいはできそうという事で本格的に機材をセットしました。
実はきりん座の
NGC2403銀河
撮影中に二夜連続で星像が流れる現象が発生していたのです。
時間帯も機材も同じ条件で検証する事に意味があると考えました。
今回は露光時間短縮のためISOを1600に戻して15分露光としました。
以下が撮影した15分露光8枚の画像の中心部です。
今回はすべての画像の星は丸く、流れはごくわずかです。
8枚の画像(露光2時間分)をそのまま重ねてみると・・(ノートリミング)
2時間でわずか10画素ほどしか動いていません。(15分露光なら1画素程度)
前回見られた異常な流れは発生しませんでした。
中途半端とは言え、対策が功を奏したのでしょうか?
原因が特定されていない以上、なんとも言えません。
検証はできたのですが空の悪さはどうしようも無く、8枚コンポジットしても今までの画像にも及びませんでした。
NGC 2403
銀河 (きりん座)
撮影DATA(抜粋)
:
2015/ 3/ 21
20:35’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
15
分×8 枚
ISO
1600
Cooled 60D (気温5.5℃ 冷却 -11℃) ガイド鏡GS-60S 他は前回と同様
これだけで終われば、とりあえず成果有りでハッピーだったのですが・・
その後22時を過ぎた頃から空一面雲で覆われ、星がまったく見えなくなりました。
これはGPV予報通りで、
予報が当たれば1時頃からは再び雲が切れて朝までずっと撮影可能になる予定です。
もう魔物が現れなければ、今回は春の銀河の初作品が得られるかもと思っていました。
( この続きは次回の記事で )
================================================
今日は徹夜明けでしたが 庭の植木の冬囲いを外しました。
これが済むと、やっと春が来るという実感がわいてきます。
一度、顔を出したあと再び雪の下になった 我が家の庭の
ふきのとう
の今の姿です。
500本を超えるこれまでの全記事リストは、
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雲上
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くもがみ
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コメント (7)
もしも筒が紙で できていたとしたら・・(VC200L魔物対策)
2015年03月21日
|
それでも星は流れる
15日と16日の二晩続けて発生した
VC200L
撮影画像の異常な星の流れ。
既に
VC200L
で苦闘された先輩の皆さんからいただいたコメントでは・・
「
筒がヤワなためたわみやすく、主鏡と副鏡の間で光軸のズレが起こっているのでは
」
というものでした。
たしかに今回は鏡筒バンドもタカハシのε-180ED用の頑強なものに替えて、
少なくともガイド鏡筒と赤道儀
(EM-200)
の剛性は完璧になったはず。
ガイドグラフもこれまで以上に良好となれば、
VC200L
本体を疑いたくなります。
わたしはこれまで何年も
R200SS
を使用してきたのですが、
昨秋に購入した
VC200L
(中古)
の鏡筒が特にヤワなようには思えません。
(素材も同じ?)
ただし、それぞれの光学方式のちがいや 鏡筒バランスを考えてみると、
明らかに
VC200L
が不利なことがわかります。
まず重量バランスから、
R200SS
が鏡筒中央部でバンド固定できるのに対して、
VC200L
はカメラを付けると筒底ギリギリでもまだ尻重で筒先にウェイトを取り付けました。
つまり
VC200L
ではバンド固定部から副鏡のある筒先までが遠くぶれやすい上に、
副鏡で再び反射された光は鏡筒内を往復しなければなりません。
つまりたわみによるわずかな副鏡の傾きの変化は拡大されてカメラまで届くことになります。
そんな訳で一見すると丈夫そうなVC200Lの筒ですが、今回の魔物探しでは、
鏡筒は紙でできている
というぐらいの気持ちで臨んでみました。
(
お世話になっているビクセンさん すみません。 たとえ話ですから・・
)
魔物探しに入る前にまずやった事があります。
⇒⇒
タカハシ純正のガイド鏡
(D50mm f700mm)
を、より軽量のGS-60S
(D60mm f420mm)
に戻しました。
タカハシガイド鏡の固定は強固なのですがガイド星を探せる範囲が狭く、
暗いものでがまんした結果
StarLost
が発生しやすくなりました。
短焦点のガイド鏡とミザールのガイドマウントで捜索範囲も各段に広くなるはずです。
( 今回の星の流れにはガイド鏡は関与していないと考えております。)
魔物探しを行うには魔物が現れた状況の再現からということで、
コード類もできるだけ忠実に再現してみました。
まず目についたのが・・
カメラ(Cooled60D)から垂れ下がる数本のコード。
カメラ電源(ACアダプタ)コード、冷却用コード、リモコンコードなどで特に冷却用コードはゴワゴワで
カメラに直接負荷がかからないよう、ピント合わせ用ハンドルにからめています。
鏡筒とカメラの接続はワイドアダプタを介していますが、ネジ部の肉厚が薄くカメラ固定に不安があります。
もしコードが引っかかっても直接カメラに力が加わらないよう
マッチプレートの45度張り出し部をコードが経由するようタイラップでリングを付けました。(手抜き工作)
そして、いただいたコメントからすると、
VC200L
本体の一番怪しい個所。
余りに尻重なためバランス用に取り付けた鏡筒回転用バンド
(ハンドル取り外し)
と0.6kgのウェイト。
バンド自体はやわな鏡筒の補強にもなってると思うのですが、ウエィトを外すとバランス大崩れ。
プレート側にウエィトを付けられないかなど、悩んだのですが
R200SS
とも共用したいし・・
それで結局 こうなりました。
あれっ どこが変わったの?
バンド+ウェイトをより鏡筒バンド側に近づけました。
撮影時にファインダーを取り外す事により可能になったものです。
なんか 中途半端のような・・
いいんです、これで。 これまでも妥協の連続でしたから。
それに流れた星の軌跡をみると突然動くようなケースもあり、
原因はたわみの他にありそうな気もしています。
今度晴れたらこれで検証してみます。
それと魔物が出なくなるまで、ISO
800
はやめて元のISO
1600
で露光時間短縮をはかります。
================================================
『大山鳴動して鼠一匹』 の感ありますが・・
この時点でも”魔物”が何かわかっていません。
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魔物にとりつかれた夜の収穫
2015年03月19日
|
それでも星は流れる
GPV予報通り16日夜も星が見えてくれました。
予報では朝まで晴れるという事で久しぶりに徹夜で頑張る予定で設営しました。
実は昨夜撮影した画像の半分くらいは星が流れてしまっていたのを知っていたのですが、
薄雲のせいでガイド星を見失う事が多かったのが原因と考えていました。(この時点では・・)
昨夜のリベンジに燃える雲上(くもがみ)なのでありました。(記事タイトルにふさわしい画調?)
透明度は今一なものの、昨夜と違い薄雲も無く安定した空となっています。
そこで昨夜も撮った
NGC2403
(きりん座)のリベンジ撮影を行う事にしました。
ガイドグラフも十分な追尾精度を示しており、今夜はISO800で25分露光で8枚撮る事にしました。
PHDガイドのグラフは弱い風が吹いた時を除き、終始安定して許容範囲内となっていました。
カメラモニターの撮影画像では少し流れているように見えましたが、ガイドグラフから安心していたのですが・・
翌日画像処理してみたところ、8枚ほとんど流れていて全滅状態。
その中で流れが少な目の1枚だけを処理した画像です。
リベンジにならなかった
NGC2403
(きりん座)
ノートリミング画像
( 画像クリックで 元画像の30%の拡大画像を表示します )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA
:
2015/ 3/ 16
20:44’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
25
分×1 枚
ISO
800
Cooled 60D (気温6.5℃ 冷却 -11℃) 他は前回と同様
なんと、総露光時間200分
(8枚)
も撮って、使えたのは25分
(1枚)
だけ!
一体なにが起きたのか? いまだその原因は特定できていません。(流れの詳細は記事の後段で)
そんな結果が待っている事も知らずに、続いて日が替わった1時過ぎから撮影したのは・・
おなじく北天にある りょうけん座の
M106銀河
を25分露光で8枚撮影。
M106 銀河 付近
(りょうけん座)
ノートリミング画像
( 画像クリックで 元画像の35%の拡大画像を表示します )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA
:
2015/ 3/ 17am
01:25’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
25
分×3 枚
コンポジト ISO
800
Cooled 60D (気温4℃ 冷却 -14℃) 他は前回と同様
これも翌日の画像処理で、8枚中なんとか使えたのは3枚だけ。
約2時間分の露光が無駄
になりました。
2晩目は一睡もせずに徹夜で撮影して、使えたのは25分4枚だけ。
翌日、結果がわかったときの雲上(くもがみ)の落胆わかってくれるでしょう?
長くなりましたので、この夜の流れの詳細は編集後記の後に記載しました。
================================================
VC200Lをお使いの先輩たちから貴重なコメントをいただいています。
次回はいただいたアドバイスを参考に原因分析と対策の検討を予定しています。
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この夜の”
魔物
”による星の流れの詳細
●
NGC2403の撮影による流れ
(25分×8枚)
画像中心部の星の流れです。
比較明で重ね合わせたもの。(右から左上に星が移動して写っています)
●
M106銀河付近の撮影による流れ
(25分×8枚)
画像中心部の星の流れです。
比較明で重ね合わせたもの。(右から左上に星が直線的に移動して写っています)
同じ北天の対象なのに”
弧
”と”
直線
”を描く違いは何?
8枚(200分間)で150画素前後も流れています。
コメント (10)
VC200Lには魔物が棲む?
2015年03月17日
|
それでも星は流れる
15日夜 薄雲はあったものの久しぶりに星が見えました。
星は見えても薄雲越しなことがわかります。
当日のGPV予報
木星を除いて前回星が見れたのは先月16日だったので、ひと月ぶりになります。
となれば、撮るっきゃない! という訳で設営。
肉眼では北極星もはっきり見えない空でした。まして「きりん座」のあたりには星がまったく見えず。
(30秒×3枚コンポジット)
雪国のこの時期は星が見えるだけでも貴重なので、つい撮ってしまうのですが、
北極星が見えるか見ないかという透明度では撮った画像に期待はできません。
今回は作品は無理でも、以下の2点について検証を行ってみたかったのです。
① タカハシ製鏡筒バンドによるVC200Lガイド精度向上の確認
② 低ISO感度(800)による長時間露光(25分)の検証
併せて結露によるトラブル防止のため冬場冷却をオフにしてきた
③ 冷却デジカメ
Cooled60D
の冷却オンでの撮影 (「乾囲送兵衛」も装着 )
最初に選んだ対象は、これまで撮ったことのない
きりん座の系外銀河
NGC2403
。
「
系外銀河導入Map
」をPCモニタに表示しながら目盛り環導入完了。
PHD2グラフもこれまで以上の追尾数値を表示しています。
振れも2”以内に収まったすばらしい追尾です。(赤緯が高く星の動きが小さい事もあり?)
これまで最長の
25分露光
で6枚撮ったのですが、途中薄雲の通過でPHD2が頻繁に
StarLost
となり、撮った半分は使いものなりませんでした。
( この時は星が流れたのは
StarLost
のせいだと思っていました。)
NGC2403
(きりん座)
ノートリミング画像
( 画像クリックで 元画像の25%の拡大画像を表示します )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA
:
2015/ 3/ 15
20:46’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
25
分
×3 枚コンポジット ISO
800
Cooled 60D (気温3.8℃ 冷却 -13℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG タカハシガイドスコープD50mm f700mm PHD2 Guiding ステライメージ7
この銀河は初めて撮ったのですが、大きい割にはちょっと眠たい銀河のようです。
ISO感度を抑え(800)、冷却することによりノイズレスな画像を。とは言っても、わずか3枚では・・
日が替わって今度はメジャーな対象を撮ることにしました。
北斗七星の輝きも元気がありません。
(30秒×4枚コンポジット)
結局、4枚目頃から
StarLost
が頻繁に発生したため、そこで撤収しました。
早めに撤収したのは翌日の夜の予報の方が良かった事と、介護中の母の通院日だったため。
流れた4枚目も無理やり加えて画像処理しました。
M81 & M82
(おおぐま座)
ノートリミング画像
( 画像クリックで 元画像の25%の拡大画像を表示します )
( 北はひだりの方向
* 対角に入れるため少し傾けています
)
撮影DATA
:
2015/ 3/ 16am
00:14’~ Vixen
VC200L
+レデューサ
(合成f=
1,278
mm F
6.4
)
露出
25
分
×4 枚コンポジット ISO
800
Cooled 60D (気温2.5℃ 冷却 -13.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG タカハシガイドスコープD50mm f700mm PHD2 Guiding ステライメージ7
さすがメジャーな対象。明るく大きいため薄雲があってもなんとか画にはなります。
撮影画像を取り込んだ時、ガイドグラフが良かったのに流れた画像にショックを受けたのですが、
翌日の夜(16日)に全徹夜して、全滅だったその結果を見た時のショックに比べれば・・
今回のNGC2403の撮影画像6枚を並べたものです。
( 最初の3枚はこれまでにないすばらしい星像になっているのに・・ )
比較明合成で6枚を重ねてみました。 ( 星は右から左上に移動 )
「
機材のたわみ
」 が原因なら、均等にほぼ同じ方向に流れる。
「
ガイドぶれ
」 なら、主に赤経(東西方向)にぶれる。
そのどちらでもない、この流れは・・
以前コメントでいただいた、VC200Lに関するいやな情報を思い出しました。
翌日、徹夜した悲惨な結果については次回で報告予定です。
================================================
長焦点のVC200Lを導入して、こつこつと積み上げてきたものが、
音をたててくずれようとしている。今はそんな心境です。
機材を追加購入して「たわみによる流れ」「ガイドぶれによる流れ」の
成果がやっと見えて来たのに・・
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春の系外銀河導入Map(その3)
2015年03月15日
|
ガイド星図22時
春の系外銀河のメジャーなところは導入Mapを掲載済なのですが、
撮影時のスケジュールを考えると南中の時間帯が重なるものが多く、
反面、目ぼしい対象の少ない時間帯がある事がわかりました。
そこでメジャーな対象以外で明るめの対象をピックアップして導入Mapを追加作成してみました。
NGC No.の若い順にまだ作成途中で、現時点で完了したものを掲載いたします。
使用される方は 右クリックで 「
名前を付けて画像を保存
」 で
左から
NGC2146
(きりん座)
・
NGC2207
(おおいぬ座)
・
NGC2336
(きりん座)
・
NGC2613
(らしんばん座)
左から
NGC2655
(きりん座)
・
NGC2681
(おおぐま座)
・
NGC2683
(やまねこ座)
・
NGC2775
(かに座)
左から
NGC2805
(おおぐま座)
・
NGC2835
(うみへび座)
・
NGC2841
(おおぐま座)
・
NGC2859
(こじし座)
左から
NGC2976
(おおぐま座)
・
NGC2985
(おおぐま座)
・
NGC3184
(おおぐま座)
今回はネガ反転したものは省略しました。
(実際のカメラモニタとの照合では使いづらいため)
================================================
今夜はなんとか星が見えていたのでガイド精度の検証中。
どんどん透明度が落ちてきて、やはり作品は無理そうです。
裏庭のふきのとうはまだ雪の中でした。
家の陰になるため陽があたりません。
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雲上(くもがみ)/
C11鏡筒のラスボスは”結露”、月明りの中で対策検証(その1)
さすけ/
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自宅で撮った紫金山・アトラス彗星(10月14日)
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いよいよ屋外設置で検証(第一夜)『C11鏡筒がやって来た』
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星が見えなくてもやれる事。『やって来たC11鏡筒』
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続2・無理なのは赤道儀ではなく 私の体力だった。『やって来たC11鏡筒』
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