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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
苦労はむくわれるべき (M51子持ち銀河)
2016年04月18日
|
天体写真(系外銀河)
撤収時にVC200Lを落下させ 鏡筒がへこむほどのダメージを受けたのですが、
鏡筒パイプの交換、及びコンパクトデジカメを使った光軸調整を慎重に行う事により修復できたようです。
その検証を行ったのが15日夜だったのですが、最初に撮った
上弦過ぎの月
は前回記事でお見せしました。
この夜 明るい月が沈むのは1時55分、薄明が始まるのは3時39分
検証撮影の本命は
M51子持ち銀河
だったのですが、しびれを切らせて月が沈む前から撮影を開始しました。
M51 子持ち銀河
(りょうけん座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大表示 )
( 上が北の方角 )
2016_ 5_11 再処理画像に差し替え
撮影DATA
: 2016/ 4/16am 1:02’~3:47’ Vixen
VC200L+レデューサー
(合成
f=
1,278
mm
F
6.4
) 露出
10分×4枚 15分×8枚
ISO
2500
LPS-P2FIL Cooled 60D (冷却-11.9~-12.2℃) タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7
元画像の50%サイズでトリミングした子持ち銀河です。
これで空の条件が良かったら、これまでで最高の子持ち銀河になったかも知れません。
撮影時のおりおんショットです。
( 画像クリックで星座線の入った画像を表示 )
この夜の透明度は中の下、肉眼では北斗七星がかろうじて見えていました
星像による検証結果がどうだったのかですが、比較は編集後記の後に載せておきましたので
興味のある方はご覧ください。
ただ、コンパクトデジカメによる光軸調整の精度が高かったことは
落下前のフラットファイルと比較してもわかります。
フラット画像の光量のピークはより中心に近づいています
================================================
九州熊本を中心とした大きな揺れが続いています。
震源地も広範囲になり、原発も気になっています。
早く揺れがおさまるといいですね。
雲上
(
くもがみ
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鏡筒落下前後の星像の変化です。
●
鏡筒落下 前
●
この撮影を終えた後、撤収時に鏡筒を落下させてしまいました。
●
鏡筒落下 後
●
早朝に落下させ、その夜に検証のため撮影したもの
●
鏡筒修復・光軸調整 後
●
ブレたのか 星像がいびつですが、画面全体にわたって均一になっています。
コメント (8)
VC200L復活の予感(上弦過ぎの月)
2016年04月16日
|
天体写真(月・惑星・彗星)
九州熊本で大きな地震災害が発生しています。
現在も大きな余震が分刻みで発生し、災害からの復旧の途に付けない状態です。
この後の雨による2次災害も心配されますが、早く余震が収まる事を祈っています。
この災害に比べれば、先日VC200L鏡筒をコンクリート面に落下させた事などはどうってことありません。
鏡筒が損傷したわずか一週間後には新しい鏡筒パイプに交換して、光軸調整を完了しています。
そんな中で昨夜は地震のニュースが繰り返し流される中、検証のための撮影を行う事ができました。
あいにく上弦を過ぎた明るい月があったため、修復後の最初の撮影は月の動画撮影になりました。
上弦過ぎの月
(月齢7.9)
( 画像クリックで元画像の75%サイズで拡大表示 )
( 上が北の方向 )
フリーソフトの
EOS C.M.R
で記録した動画を、
RegiStack6
でスタック処理して、
やはりフリーソフトの マイクロソフト
I
mage
C
omposite
E
ditor
でモザイク結合しています。
撮影DATA
: 2016/ 4/15 Vixen
VC200L
(
f=
1,800
mm
F
9
) 露出 1/20秒
EOS C.M.R
x5クロップで 50秒前後の動画記録
ISO 400 EOS kissX2 タカハシ EM-200 Temma2M
RegiStax6
マイクロソフト I.C.E
EOS C.M.R のx5クロップは本来のカメラ画像の1/5サイズ
(画素数では1/25)
の領域を
動画記録するもので、画像が拡大撮影される訳ではありません。
つまりモザイク結合した月の画像の大きさは、直接カメラで撮影したものと同じです。
光軸調整を終えたVC200L鏡筒を赤道儀に搭載したところです。
メーカーロゴシールも付いてきたのですが、無印もいいですね
もう鏡筒を落下させることが無いよう、鏡筒バンドは手前に開くよう変更しました。
================================================
このあと月明かりの中で子持ち銀河などを撮影。
画像処理はまだですが、たしかな手ごたえがありました。
別途 ブログにて掲載いたします。
雲上
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コメント (4)
わたしはこれで光軸調整を極めた(・・と思う)[VC200L編]
2016年04月14日
|
機材
本来は
撤収時に落下させてしまったVC200L鏡筒
の修復が優先課題だったのですが、
新月期に晴れそうとの焦りから、ピンチヒッターのR200SS鏡筒の再調整を先に終えました。
そのあとでいよいよ VC200L鏡筒の修復作業に入りました。
手前が修復用に購入したVC200L用鏡筒パイプ (ロゴはこちらで貼りつけるようです)
新たな光軸調整のツールとしてコンパクトデジカメ
LUMIX DMC-LX1
を使ったのですが、
事前に調べたところ画像の中心とレンズの光軸がズレている事がわかりました。
( 下の画像は写真プリントを徐々にズームアップして撮影したものを重ね合わせたもの )
画像の中心(対角線の交点)とレンズの光軸(ズーミングの中心)がズレている
更にズーム比によっても光軸が変化していくのがわかります。
そこで手持ちの古いソフト(Paint Shop Pro 7)を使って接眼部バッフルの内縁から中心を割り出す事にしました。
VC200L鏡筒を落下させる前と後の光軸の状態です。
バッフル内の像は副鏡に写っている主鏡の像で、主鏡から見た副鏡を含めた鏡筒の前部が写っています。
( あぁ ややこしい )
撮影時のLUMIXのズーム比でも写り方が変わるのですが、
写り込んだ鏡筒前部の枠を見ると タテ方向に光軸がズレたようです。
それではへこんだ鏡筒を購入した新品に入れ替えてどうなるのか・・
へこんだパイプから副鏡、主鏡部分を取り外しました ↑
新しい鏡筒パイプに付け替えて、元通りになったのか? ↑
現実はそんなに甘くありませんでした。
歪みの無い新品のパイプに交換した事により、むしろ落下による光軸のズレが明確になりました。
光軸調整 やるっきゃない!
以下は、2日がかりでVC200Lの光軸調整に挑んだ記録です。
わたしが参考にした記事は→
こちら
手順
1
接眼体の調整
まずは最初に基準となる鏡筒前部の副鏡支持金具の中央に、接眼体の中心を合わせます。
R200SSの時と同じように副鏡を外し、取りだそうとしたのですが・・大きすぎて出せません!
結局外した副鏡を取りだすために、いったん取り付け金物まで外す事に。
副鏡を取り付けているネジには、なぜかワッシャーが4枚も入っていました。(右は副鏡を外して再度取り付けた状態)
副鏡が取り付けてあった穴を基準に、接眼体の向きを調整していきます。
鏡筒背面の内側にあるネジが接眼体の調整用のものです。(丸頭が引きネジ、他方が押しネジ)
手戻りにならないポイントは、調整内容をメモしながらその都度写真を撮って変化を確認する事。
(記録したメモを見ると、押したネジの方向に接眼体の中心が移動していました)
接眼体の調整 前と、調整終了時 の記録です。
最初の移動方向の確認も含めて10回以上、調整を繰り返しています。
手順
2
副鏡の調整
取り外してあった副鏡を取り付けます。
鏡筒前部の副鏡のネジ
(中央引きネジ、周り3本が押しネジ)
を調整して、
接眼体の向いている中心に、写り込んだカメラレンズの中心を合わせます。
とてもデリケートな作業になるのですが、わたしは何を勘違いしたのか
気がついたら主鏡の調整をやっていて、事態をこじらせてしまいました。
それでもなんとか調整する事ができました。
ネジでどちらにどう動くかですが、調整メモに”引き戻し”なんて書いてあって 今となっては・・
手順
3
主鏡の調整
鏡筒背面の外側のネジを調整して、スパイダーの十字の中心を接眼体の中心に合わせます。
こちらは比較的動きは鈍感なので、引きネジを緩めすぎて外さないよう注意します。
調整メモを見ると押した方向にスパイダーが動くようですが・・
本来はこれで終わりなのですが、まだ追い込みが足りないように思えて
もう一度、副鏡・主鏡の調整を行っています。
最終的な調整結果です。
ここまでコンパクトデジカメ
LUMIX DMC-LX1
だけで調整を行っていますが、
最後に参考にという事で・・
レーザーコリメーターを当ててみました。(ほとんど真ん中!)
ちなみに、LUIMIXを接続するために、下記のアダプターを使用しています。
あとは実際の撮影で検証するだけなのですが、恨めしい日本海側の天気でなかなか晴れてくれません。
================================================
例によって、ブログにあるまじき記事のボリュームになってしまいましたが、
R200SSについても撮影結果が良好なら別途調整手順を掲載いたします。
雲上
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コメント (21)
わたしはこれで光軸調整を極めた(・・と思う)[R200SS編]
2016年04月12日
|
機材
記事のつながりでいけば、「
ピンチヒッターR200SS 力みすぎてコケる(
その2
)
」 になるのですが、
8日夜に撮影した画像の分析から、正しい光軸調整の姿が見えてきたような気がします。
筒がへこんだ
VC200L
に代わり、ピンチヒッター
R200SS
で撮った3タイトルの内の一枚です。
NGC 2903
(しし座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
撮影DATA
: 2016/ 4/ 8 22:22’~ Vixen
R200SS+コマコレクタPH
(合成
f=
760
mm
F
3.8
) 露出
10
分×8枚
LPS-P2FIL
ISO
1600
Cooled 60D (冷却-7.5~-8.3℃) タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7
画像処理により目立たなくなっていますが、処理前の一枚画像を見てみると・・
これでもR200SSを久々に登板させるにあたって
光軸調整をやりなおしているのですが・・
どこがいけなかったのでしょう?
撮影前に行った光軸調整の結果を再度検証してみます。
これは最後の手順「主鏡の傾き調整」をレーザーコリメーターを使って行った後のものです。
具体的に見ていくと・・
①.
調整不可能な接眼筒中心に主鏡の中心は合っている
②.斜鏡支持金具は接眼筒中心とずれているが、これはオフセットのため
③.
主鏡に写り込んだカメラレンズの中心がずれている
③は
主鏡の傾きが図の左右方向にブレている
事を表します。
レーザーコリメーターを使っているのに、なんでこんな事になるのでしょう?
レーザーコリメーターで調整中の様子(画像は本来は縦向きです)
以前に主鏡を外してセンターマーク
(事務用のドーナツ型のパッチ)
を貼りつける際に、
位置の目印に鏡の中心にマジックでしるしを付けてしまいました。
このため、主鏡にあたっているレーザー光は確認できるのですが、
跳ね返って戻る光がボケてしまっています。
他にも、レーザー光のわずかな傾きが誤差につながっています。
現在のわたしの光軸調整用のツールです。
左は光軸調整の定番ツール「センタリングアイピース」ですが、わたしには
役立たず
です。
そもそもアイピースの先端の十字線と、ずっと先にある目標を同時に捉えて合わせるなんて無理です!
目のピントだけでなく、目の位置が少し変わっただけでもうわからなくなります。
そこで こんなあてにならない気休めのツールはやめて、
2インチアダプターにすっぽり収まる
LUMIX
(画像中央)
での検証画像を中心に再度調整を行いました。
まだわずかずれがあるかもしれませんが、カメラ装着時のガタもありこれで実際の撮影で検証してみます。
画像の中心(対角線の交点)が、カメラレンズの光軸と合わない事がわかりました
LUMIXを活用した光軸調整方法については、実際の撮影で検証できた後に掲載予定です。
(ちなみにわたしの使っているのは
LUMIX DMC-LX1
という機種になります)
忘れるところでした、恒例になったおりおんショット
(撮影中風景)
です。
透明度も悪く、湿度100%近い夜でした
================================================
実はVC200Lの光軸調整も完了しております。
無事復活できたようです。(パチパチパチ)
今夜は親戚一同で高田の夜桜観望です。
2日前に末娘が高田公園に花見に行った時の様子を送ってくれました
今夜は「花より団子」かな
雲上
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ピンチヒッターR200SS 力みすぎて コケる(その1)
2016年04月10日
|
機材
しばらくブログの更新をしていませんでしたが、
VC200L
をコンクリート面に落下させた事で
泣き暮らしていた訳ではありません。
補修用に注文したVC200L鏡筒パイプの到着が遅れていたのですが
貴重な新月期につき、星が見えれば撮らないわけにはいきません。
もし晴れたらコレクター
PH
を装着した
R200SS
をピンチヒッターとして登場させるべく
光軸の追い込みを行っていました。
完璧な光軸調整ができれば、エクステンダーを付けて春の系外銀河を狙わせるという作戦です。
2月12日amに
R200SS+コレクターPH
(f=760mm)で撮った一枚画像ですが、片側で星像が流れています
これまでにも光軸調整は行ってきたのですが、今回は特に
コンパクトデジカメ
LUMIX
を最大限活用して、
調整状況の可視化を行いました。
レンズ鏡胴が2インチアダプターにピッタリはまります ↑ (上の写真はVC200L調整時のもの)
今回はレーザーコリメーターの芯出しに スムーズに回転する
ワイドアダプター DX
が役に立ちました
光軸調整をやりはじめた矢先に
GPV予報
で 5日夜に晴れるとの事で中途半端なまま撮影準備。
オフセット位置の調整 前後
↑
青い円に十文字が接眼筒の縁の円から割り出した中心になります
結局 5日の夜は翌朝2時まで待ったのですが、予報がはずれて空振りになりました。
ただ雲の切れ間でピント合わ時に撮った星像は、以前よりひどいものでした。
そこで、レーザーコリメーターで再度 主鏡の傾き調整を行った結果が下の写真です。
R200SSの接眼部にLUMIXを挿入して撮った画像
撮影画像の中心
(対角の交点)
がレンズ光軸
(=レンズ鏡胴の中心)
なら文句なしだったのですが、
実際は少しずれていて、さらにズーム比によっても光軸の位置が変化する事がわかりました。
そこで手持ちのペイントソフトを使って、接眼筒の縁から中心を割り出ししています。
そして再び8日夜に晴れる予報が出たのですが、その日の昼過ぎに待っていたものが届きました。
VC200L用鏡筒パイプ 代引き送料込みで¥26,222でした
ここで開封すると、この夜のピンチヒッターによる撮影計画が台無しになります。
そして迎えたその夜は、透明度も悪く、湿度はほぼ100%という中で撮影を行いました。
防犯灯にライトアップされた 我が家の桜は満開でした
その夜は3タイトル撮る事ができたのですが、成果は・・ (次回に つづく)
================================================
ピンチヒッターとして、前から気になっていた
R200SSの光軸調整にまで手を付けたものだから大変。
内心、VC200Lの修復がダメだった事も考えての事です。
雲上
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