最善の楽器

2009年10月26日 | jazz
土曜日は法事。
そして日曜日は、告別式があった。
手遅れの癌だったという、私とほとんど年齢の変わらない女性の死だった。
しかし、10月は亡くなる方が多い気がする。
季節の変わり目だからだろうか?

法事が終わった夜に、忙しかったけれど、イスラエルのジャズピアニストのY・ヘルマントリオを聴きに出かけた。
ある評論家のブログで、その変わった経歴のピアニストを知った。
その日法事があるのにも関わらず、興味をもったのでチケットを買ったのだ。安かったし(苦笑)
評論家は賞賛していたし。
Y・ヘルマンは10代半ばに、怪我でスポーツを断念してからピアノを始め、まだ10年ちょっととか。
ということは、並々ならぬ努力の人なのだろう。

以前に、ヴァイオリニストの姪と話していたら、楽器の話題になった。
姉はピアノを教えていたが、娘である姪のピアノを、私は聴いた記憶が無かった。
その事に触れると、なんと姪は絶対音感があるけれど、和音が苦手。
なので単音楽器のヴァイオリンを選んだとか。
ピアノは楽譜を見て、瞬時に和音を抑えなければならないけれど、それがどうも苦手らしい。
ドの位置から、ひとつひとつ数えて和音を押さえる人もいるとか
結局、姪は自分で音を作る単音楽器のヴァイオリンが、自分に一番あっていたということ。
そして、ピアノは打楽器だから、ドの音はひとつしかないけれど、ヴァイオリンではドの音はひとつでは無く、弾き手のセンスで微妙に違ったドをいくつか出せる複雑な楽器らしい。
それを聞き、自分の特性に合った、その人にとっての最善の楽器ってあるのだと思った。


そして、Y・ヘルマンの話題に戻ると、彼にとっての最善の楽器がピアノだったのだろう。
だから、始めて10年ちょっとでも、素晴らしく、そして上手に弾けるのかも。
そんなジャズライブの感想といえば、確かにピアノは上手い。
イスラエルの音楽のテイストを利かせたり…K・ジャレットを彷彿させる演奏もあり、しかしジャズのノリがね……
私はノレなかった。
夫が一言「眠くなった」 って。
どこか違和感を感じるライブだった。
MCも他の演奏者の紹介もなく、トリオでも互いの意思疎通は感じられず、機械的に演奏しているという感じで、ジャズを聴きに行った印象が無かったのが残念だった。


そして、今更かもしれないが、私にとって最善の楽器って何なのだろう?

確かに、今更。もう手遅れね。
コメント
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