山本一力の「ワシントンハイツの旋風」読んだ。5年ぐらい前に読んだことある本だが、数カ月ほど前に文庫本をブックオフで見付けて購入。
主人公の一元謙吾は、山本一力自身。15歳で故郷の高知を出て東京で新聞配達をしながら高校に通う。高校卒業後、トランシーバーメーカーに勤めるが、数ヶ月で退職。大手旅行代理店(近畿日本ツーリスト)に転職してから24歳までの自叙伝。
ワシントンハイツとは謙吾が新聞配達を受け持つ代々木にあった米軍の家族が住む居住地。東京オリンピックを機に移転するが、新聞配達を通し英語を学ぶ。
高度成長期の時代の勢いに乗って、ひたむきに生きる謙吾。女性に対してはマメさ、仕事はアイデアで勝負。大阪万博の話が出てくるけど懐かしいねえ。時代の勢いに乗って予想以上の人が殺到し、ホテルの部屋が足りずラブホテルをあてがえた話など当時の世相がリアル。ちなみに俺は当時小2、万博には日帰りで4回行ったかな。
終盤は海外添乗のエピソード。当時は外貨の持ち出しに制限があったし、1ドル=300円台の時代やから海外旅行なんて高嶺の花やけど、行ってる人は行ってたんやね。ラスベガスの話。呆れるというか、豪快というか・・・・。
440ページの長編だけど字が大きいので読むのが楽だった
山本一力というと、あかね雲などの時代小説を思い出す。現代小説は書かないのかな?