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ロスからニューヨーク走り旅~坪井信吾

2012-09-06 | Book

坪井信吾の「ロスからニューヨーク走り旅」を読んだ。

2005年5月から10月にかけてロスアンゼルスからニューヨークまで走って横断した時の旅ラン日記。距離にして5,395キロ。サポートしてくれる人はまったくいない単独ラン。

安モーテル、野宿、10キロ以上のバックバックを背負っての北米大陸を西から東に横断する超ウルトララン。

毎日50キロ以上のラン。砂漠地帯では気温は楽に35度を超える過酷な環境で走り切った体力と精神力は金メダル級だ。よく大きな事故、病気にも合わず帰ってきたなと感心。と言うか人間技じゃないよ。モーテルにチェックインするなり、気絶を失ったことも度々あったようだ。

ロスから東へ走るが最初のゴールはイリノイ州。ビザの関係で一旦帰国してからイリノイ州からニューヨークまで残りのルートを走って完走。帰国の際、ラス・ベガスまで行って、走ることができなかったネバダの砂漠地帯を走って完全横断を達成するまでのこだわりだ。


このスタイルでマラソンは厳しい。アメリカの道は果てしなく長い。

南アフリカからアフリカ大陸を北上して中東までバイク走る旅やアマゾン川をイカダで渡る経験があったからこそできたラン。いくらマラソンブームとはいえ、このランを達成できるのはこの人ぐらいだろう。大陸を横断中、現地の人との交流でほのぼのとする話もあり、読んでいる方も嬉しくなる。

凄いのが、まったくお金には執着心がないところ。お金のためではなく、お金で買えない自分の夢の実現と目標達成に生きる人生。これこそ男のロマン!

妻帯者だが、奥さんの理解力が凄い。普通なら止めるやろ。イリノイからニューヨークのランに必要な資金まで旦那に貸すことができる器。ちゃんと返してねとは言っていたが・・。ある意味、夫婦で達成した北米横断ランかも。奥さん、ネバダの最後にゴールする町メスキットの市長に、旦那が表敬訪問するとFAXする行動力が凄い。

ノンフィクションだが、今年読んだ本で一番のインパクトのある本。ちなみに坪井さん、俺と同い歳。今は出身地の和歌山に在住で、来月は旅の写真展と講演会するらしい。