【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

白い黄昏

2008-02-21 17:26:48 | 四季のスケッチ
   今日は、昨日以上に暖かく、
  雲一つない空となりました。

   こんな空は、
  何日振りの事でしょう。
  本当に360度、何もない空です。

   そして、この冬初めて、
  強烈な冷えもなく、
  寝覚めも快適でした。

   



   “美しい冬の黄昏は、
  白い世界を紫に染め、
  一同がそりを駆る小道では枝さしかわす
  野生の桜の木が、霜で宝石のように煌いていた。
   足元では雪がきしみ、パリパリ音を立てた。
  葉の落ちた水木を
  風がヒューヒュー号泣しながら吹き渡っており、
  木々の上では空が銀の丸天井のようで、
  西の斜面には、一つ二つ星が光っていた。
   そちこち地上の星のように暖かく輝いているのは、
  果樹園や樺の木立ちに気持ち良く包み込まれた、
  家々であった。”

                            【「アンをめぐる人々」 13.】



   2月が冬の中では、一番好きな
  季節である事は、以前にも記しました。

   それは、黄昏にあるのかも知れません。
  その美しさに・・。

   あれは、今ではすっかり遠くなった学生時代・・。
  最後の試験のため、レッスン室にこもって、
  練習していたものです。

   今は苦しいけれど、これさえ終わったら、
  長い休みに入る・・。
  浮き々するには、十分過ぎるものでした。

   そんな時・・。
  窓を染める紅い夕陽に、思わず心を奪われ・・。

   今思うと、希望ある日々でした。
  この頃からです。2月が好きになったのは・・。

   勿論、それだけではありません。
  でも、甘酸っぱい思い出と共に、その頃の光景が蘇って来ます。

   それにしても、『アンの世界』 の
  黄昏の美しさは、格別なもののようです。

   冬の自然が厳しい分、
  何か底知れない美しさを秘めている・・そんな気がします。



   上の写真は、黒鉄黐
  (くろがねもち)です。    

   夏に咲く淡紫色の花は、
  地味ですが、晩秋に赤く熟す実が、
  冬中庭を彩ります。

   真っ青な今日の空。   
  今宵は、満月でもありますね。
  美しい夜の予感。

    「もちの実の 赤々と 
       ひよ高鳴く日」
   
                         ~今牧 茘枝