今日は何とも気紛れな空に
なっています。
起床時は一面、真珠色の空。
その後、ザ~ッと雨が降ったかと
思いますと、カ~ッとお日様。
写真のような青空だって
覗かせたのですから。
今日は、その繰り返しに
終始したような気がします。
尤も、こんな事だってありますね。
ただ今年は、去年程、雷が多くないのが殊の外、嬉しいです。
さて合間、合間に音読で読み進めています、
司馬遼太郎著 『坂の上の雲』 は、第3巻を読み終えました。(全6巻)
(余談ながら、この音読、衰えた頭にも良く入ります)
明治37年に火ぶたを切った日露戦争ですが、
秋山兄弟は陸、海軍の幹部として出陣。
戦局は旅順で紛糾しています。
膨大な数の戦死者。
砲弾もなければ兵員の数も足りないという、ないない尽くし。
一方、旅順を海上封鎖している連合艦隊も、
動き出したバルチック艦隊に備えなければなりません。
しかしながら旅順は陥ちません。風雲、急を告げています。
タイトルの 『真摯な時代の青年たち』 も、
少々無理になって来たかも知れませんね。
申すまでもなく3巻は、陸軍に焦点が当たっていますから。
藩閥、特に長州閥に凝り固まった、鈍感な? 陸軍は、
同じ藩閥ながら、古い体質を一掃した、海軍ほどの “若さ” は、
どこにも感じられません。
残念な事に、陸軍のこの古い体質は、後々まで続いてしまったようです。
凝り固まった古い体質・・今の政局だって言えますものね。
ところで、この日露戦争の英雄として名が残っている、乃木希典(まれすけ)。
この本では、イライラするほど頑固で無能な人物として描かれています。
これには、意見が分かれる所だそうですね。
私も以前読んだ、渡辺淳一著 『静寂(しじま)の声』 での人物像と、
あまりにも違っていますので、驚いたものです。
尤も参謀役(伊地知幸介)に恵まれなかった事も、
この本では最大の不幸だとされていますが・・。
その乃木と時の陸相、寺内正毅(まさたけ)を作者は、
次のように記しています。
「君は重箱の隅をせせるような男だ」 と、 同郷の児玉源太郎が寺内をそのようにからかった事があるが、 寺内のこの性癖は全陸軍に知られていた。 この点、同じ長州人の乃木希典に酷似しているが、乃木との違いは、 乃木は極端な精神主義で、寺内は偏執的なほどの規律好きという点にあり、 ・・・略・・・ 彼らは有能無能以前に長州人であるがために栄進した。 栄進して将領になった以上、その職責相応の能力開発が必要であったが、 彼らはその点で欠けていた。 欠けている部分について乃木は自閉的になった。自ら精神家たろうとした。 乃木は少将に昇進してから人変わりしたように精神家になったのは、 そういう自覚があったからであろう。 乃木が自らを閉じ込めたのに対し、 寺内は他人を規律の中に閉じ込めようとした。・・・・・ |
考えてみれば、乃木希典は生まれた時代が悪かったのかも知れませんね。
西南戦争の後でも自決しようとしていますし、勿論、日露戦争の後でも・・。
実際に、明治天皇崩御の後、自決しています。
あまりにも繊細な神経。軍人には向いていなかったのでしょうね。