思いのほか反響があったというか、質問の多かった「電装系の話」
実際の電圧降下を車両で測定してみよう!
ただし、テスターや使用している実験用配線冶具でのロスもあるので、参考データと言うことで。
生贄・・・いや、実験台は初期型RD125。
本当は年式的にもHS1やAS1で事件したかったんだけど、僕のHS1は既に電装周りのメンテ
ナンスをしちゃったから、特に手を入れていないRD125を選択した。
基準になる電源はバッテリーではなく、定電圧電源を使用することにした。
バッテリでは、測定中に電圧が低下してくるからだ。
ウインカーが点灯しているが、実験にはヘッドライトバルブではなく、ウインカーを使用した。
理由は定電圧電源の容量が最大2アンペアだったから。
純正のヘッドライトバルブは35ワットなので単純計算でも3アンペア近くの流れるので電源が
容量不足になるが、ウインカーバルブならば8ワット球で1アンペア以内で収まる。
ヘッドライトバルブのロー側の配線をウインカーへ接続し、テスターで測定すると言う単純な
作業だ。
まずは、基準となる定電圧電源の出力電圧を設定する。
もちろん直流の12ボルト!
んでもって、これがバルブ直近のギボシで測定した電圧だが、11.38ボルトになっている。
つまり配線や接点のロスが原因で電圧降下が発生していると言うこと。
RD125のヘッドライト系統は・・・
バッテリーからメインハーネスを通りメインスイッチへ(この間にフューズや6極コネクタ有)
メインスイッチからヘッドライトケース内を経由してハンドルスイッチへ
ハンドルスイッチからヘッドライトケースに戻りバルブへ到達
いがいとコネクションが多いので接触抵抗も無視できないと思う。
まず手始めに、誰でも出来るメンテナンスとして・・・
ヘッドライトスイッチのパチパチ攻撃!
単純にハンドルスイッチにあるヘッドライトオン・オフスイッチとハイ・ロースイッチを何度も繰り
返して切り替える。
同時にハンドルスイッチの隙間からパーツクリーナを吹き込む!
これで、簡単に電圧は11.45ボルトへ上昇!
次はメインスイッチを攻撃する。
メインスイッチは鍵と接点部が分割した構造になっているので、鍵穴からパーツクリーナーを
吹き込んでもあまり意味がない。
そのため分解しなければ大きな効果は得られないのだが、単純にオン・オフを10回くらい
繰り返しただけで電圧が11.52ボルトへ上がった!
電気なんて、そんなもんだ・・・
これ以上はフューズの両端のギボシ端子をはじめ、メインスイッチの6極コネクタやメイン
スイッチ内の接点をメンテナンスしなければだめだろう。
またこれらの検証は
プラスに関してだけで、
マイナス側は何もしていない。
電気は
プラスだけを流れやすくしても、戻り側の
マイナスが影響する。
ちなみに、この数値は定電圧電源からバルブまでを直接接続した場合の電圧だ。
使用しているケーブル(ミノムシクリップ付きの配)が細いので、ケーブルでの電圧降下が
発生していると思われるが、11.90ボルトと言う数値だ!
ちなみに、これがバッテリー端子部からウインカーバルブ直近のギボシまでの抵抗値。
実際にテスターの配線抵抗(0.6オーム)を差し引くと、約0.8オームということになる。
もちろん
プラス側に関してだよ!
これが8ワットのバルブを点灯させるのに流れている電流値だ。
0.72アンペアの電流が流れていると言うことは、0.8オームの配線抵抗なので、約0.58
ボルトの電圧降下が発生する。
つまり・・・12ボルトの電源が11.42ボルトになるということ。
実際に
マイナスの抵抗値は0.2オームだったので、
プラス側と合わせて約1オームとなる。
これで再計算すると・・・
電圧降下は0.72ボルトとなり、12ボルトは11.28ボルトに降下する。
最初のデータが11.38ボルトなので・・・違うぢゃん!
でもギボシの抜き差し等で、接触抵抗は微妙に変化すると思うので、誤差範囲と思って良いの
ではないだろうか?
「検証のおまとめ」
今回の検証は8ワットバルブを使用したが、35ワットのヘッドライトバルブは4倍以上の電流が
流れるので、同じ接触抵抗でも電圧降下は大きくなる。
フレームを介しての
マイナス系統に比べると、接触箇所の多い
プラス側は大きく影響する。
あ~、疲れた・・・
計算間違ってないよなぁ
心配だ・・・