音楽の喜び フルートとともに

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希望のカラオケ

2014-04-15 21:52:25 | 介助

乙女椿、今満開です。実家に行ったら、「花屋さんに行ったら、きれいだったから。」と母。切花でも、美しい。


土日連日のコンサートで、自覚はないけれど、さすがにつかれていたのか、月曜日はよく寝ました。開けて、今日、父の認知症を診てもらう日です。
朝7時半に出て山手に両親を迎えに行き、関西医大へ。
採血をしておいて、精神科へ。
採血は、泌尿器の方ですが、並んでいると、持っている呼び出しブザーがなりました。精神科の順番が来たので、精神科に行かなくてはなりません。しかし、30人待ちの採血の順番も気になり、父を母に任せて、精神科の受付に行きました。
「こちらに先に来てください。」と、受付の女性。
仕方たないので、携帯で母を呼びだしました。

すぐ、と言われましたが、やはり、40分ほど待ち順番が来ました。
父と話したあと、「ご家族の方から見たら、何かあるかもしれないので、お伺いしますね。」と先生は父に言います。
「デイサービスに行っている間は、いろんなことをさせていただいているみたいなのですが、家にいるとなかなか動かないんです。」
「散歩や買い物に誘っても、『行かない』って動こうとしないんです。この前も駅まで行く間に息切れしてしまって」というと、先生は、
「ご家族は、難しいですね。デイサービスを続けてください。」
それから、父の方をしっかり見て「散歩と運動はして下さい。そうでないと寝たきりになったりしますよ。」と言いました。
父は「はい。」と照れくさそうに笑いながらうなづいていました。

さて、診療を終えて私の家に二人を連れて帰りました。
そこで、タブレット型端末で、youtubeを出して、カラオケの「北国の春」や、「影をしたいて」などを出して父に歌ってもらっていたら、母が「しっかり、歌ってるわ。」
「今の歌なんていうの?」と聞いて、今度は歌える歌をメモに取り出しました。
「こんなに歌えるんだったら、こんど老人会のカラオケクラブに、連れて行くわ。」
父は歌える歌の題名を忘れていたり、歌えないのに、題名だけ覚えているものなどがあるので、集まりに行っても、自分では歌をリクエストできないのです。
母はカラオケに疎くて、「嫌い。」と昔から言っているので、全く今までは興味を示さなかったのですが、病院に行って、運動や、刺激が大事と聞いて、危機感を感じたようです。

父の意欲が湧くもので、体や心を動かすことが一番。
母が本気になりだしました。

何曲も、歌える歌を探して歌ったあと、思いついて、母の好きそうな歌を入れました。

「鐘の鳴る丘」母が小学生の時に、学校から見に行ったと何度も聞かされていたのです。
音楽が始まると、驚いたことに初めて母が歌いだしました。

「とんがりボウシの時計台…鐘がなりますキンコンカン。」
父も、ところどころ声を合わせます。
おもしろいなぁ。母はカラオケというと、演歌と思い込んでいたらしいですが、「こんな曲もあるの?」とおどろいています。
「こんなのもあるよ。」と「みかんの花咲く頃」を入れてみると、母も入って大合唱になりました。
「これ、どこで買ったんや。わしもこれ買うわ。」
「夏はきぬ」「ふるさと」「花」を、二人で立て続けに歌い上機嫌。

「これ、貸してあげるから、使い方覚えて」
と、母に端末を渡して、ボタンと、検索の仕方を教えました。

ちょっと心もとないけれど、母は熱心に操作を覚えていました。
そうそう、山手には長男もいるから、なんとかなるでしょう。
やっぱり、音楽が私たち家族を救ってくれそうです。