ショックなニュースが入ってきました。
日本のフルートの文化向上に貢献してきた神戸国際コンクールが存亡の危機にあります。
世界に認められる日本のコンクールがいくつあると思われますか?世界的奏者のパユ氏もこのコンサート受賞により世に出ました。こういう伝統は一夜にしてなりません。
本当に何か出来ることはないかしら?
以下「神戸新聞、NEXT」より
神戸市などが主催し、世界的な演奏家を多数輩出してきた「神戸国際フルートコンクール」が岐路に立っている。市は、その歴史や権威を認める一方で、市民への浸透度の低さなどから、廃止を含めた検討を開始。文化事業に対する難しいかじ取りを迫られる中で、関係団体などが存続に向けて動き始めた。(小川 晶)
同コンクールは、1985年から4年に1度、神戸市内で開かれ、2013年まで8回を数える。世界三大フルートコンクールの一つとされ、過去の入賞者には、ミュンヘン音楽大教授やベルリンフィルの首席奏者など、フルート界の著名な演奏家が並び、国際的な評価も高い。
一方、1回当たりの開催費用は約6千万円で、市は入場料や広告収入を除いた約5千万円を負担。15年度の予算編成に当たり、市は17年の第9回に向けた準備費用を盛り込まず、「廃止を含めて今後の在り方を検討」と位置付けた。同コンクールの意義を認めながらも、市民への浸透、還元の度合いが低いと判断したという。
市の検討方針を受け、フルート奏者らでつくる「日本フルート協会」(東京)は、2月から存続に向けて対応を協議。糸井正博事務局長は「日本の音楽界でも貴重な国際コンクール今後の文化行政の在り方にも関わる問題ととらえ、本気で取り組む」と話す。
今後は、月1回の運営委員会で話し合いを重ねるとともに、「日本演奏連盟」や「アジア・フルート連盟」などとの連携を模索。スポンサー探しなど具体的な支援策を8月の総会でまとめる予定だ。
この問題は、2月開会の市議会定例会でも取り上げられ、予算特別委員会では、コンクールの担当部局が市民へのPR不足などを認めた。
一方、本会議の予算質疑で検討基準について問われた玉田敏郎副市長は「芸術、文化事業は、費用など定量的な側面だけでは判断しにくい部分がある」と答弁。アンケートなどで市民の意見を聞く必要性に言及している。
【音楽界全体に影響 現役の指揮者で、広く音楽の普及に取り組む斉田好男・神戸大名誉教授の話】どんなコンクールであっても廃止すれば演奏家が腕を磨き、ファンが音楽を楽しむ舞台が減ることになり、音楽界全体の損失につながる。神戸国際フルートコンクールの場合は、さらに影響が大きくなる恐れがあるが、一方で神戸市が主催する以上、市民の一定の認知度が求められる面もある。フルートは吹奏楽の主要楽器で演奏人数が多く、ポテンシャルは高い。コンクールの格式にばかりこだわるのではなく、市民に広く知らしめる努力が必要だ。
【神戸国際フルートコンクール】 神戸のPRなどを目的に1985年、フルート単独の世界初の定期コンクールとして始まった。ミュンヘン、ジュネーブとともにフルートの世界三大コンクールに位置付けられる。第8回には21カ国・地域から57人が出場し、予選と本選、特別コンサートなどで約4300人の観客を集めた。これまでにベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のエマニュエル・パユ氏や、フィンランド放送交響楽団の小山裕幾氏など世界の著名な楽団の首席奏者らが入賞を果たしている。