春と呼ばれる四重奏曲

バタバタしているうちに、花水木も終わり、

京田辺市の実家近くの並木は花水木です。

れんげ畑も

耕されて

跡形もありません。

三寒四温の春は終わるのかな？

ウォルフガング　アマデウス　モーツァルト（1756〜1791年）神聖ローマ帝国ザルツブルク大司教領ザルツブルク生まれ、神聖ローマ帝国オーストリア大公国ウィーン没

子どもの頃から父と一緒に巡業していたモーツァルトも恋をする年齢になります。

1777年にはザルツブルクでの職を辞し、マンハイムに戻ります。それからパリに行く途中でアウグスブルクに立ち寄り、彼が「ペーズレ」と呼んでいた従妹のマリアアンナ　テーグラ　モーツァルト

と再開しました。

マリアは父レオボルトの弟の娘でこの時、二人は互いに惹かれ合い。モーツアルトは初めて肉体関係を持ちました。

マリアに未練を残しつつも、マンハイムの音楽家フリドリン　ウェーバーの娘、アロイジア　ウェーバー

に恋し、結婚の計画を立てます。

父レオポルドは猛然と反対し、78年2月にはパリ行きを命じます。3月から9月までのパリ滞在は悪夢でした。受け入れ先のシャポー公爵夫人からは冷遇され、稼ぎもよくありませんでした。また、自宅に招いて演奏させた人は絶賛しますが、報酬は出し惜しみました。

交響曲第31番第2長調K.297パリを作曲します。同年母がパリで死去します。

1981年3月25歳のモーツァルトはザルツブルク大司教ヒエロニュムス　コロレド

の命令でミュンヘンからウィーンにうつりますが、コロレドと衝突し、解雇され、ザルツブルクを出てそのままウィーンに定住することを決意します。

以降、フリーの音楽家として演奏会、オペラの作曲、レッスン、楽譜の出版などで生計を立てています。

1782年父の反対を押し切り、コンスタンツェ　ウェーバーと結婚します。

コンスタンツェはかつてモーツァルトが片思いの恋をしたアロイジア　ウェーバーの妹でカール、マリア　フォン　ウェーバーのいとこでした。

この頃から自ら主催の演奏会用に作曲された曲が増えました。

1785年弦楽四重奏曲集をハイドン

に献呈します（ハイドンセット）

2月に父レオポルドが ウィーン 訪問をした際に、息子の演奏会が盛況なことを喜ぶとともにハイドンから息子の才能について賛辞を受けます。さらハイドンは2年後の1787年プラハからのオペラブッファの作曲依頼に対して、自分の代わりにモーツァルトを推薦しました。

そして「もし、有力者が彼の才能を理解できるなら、多くの国々にはこの宝石を自国の頑固な城壁の中に持ち込もうとして競うだろう」と断言しました。

この時のハイドンセットは

K.387 K.421 K.428 K.458 k.464 K.465

で、1785年1月15日と2月12日にモーツァルトはハイドンを自宅に招き、この6曲のすべてまたは数曲を披露しています。

モーツァルトはその際自らヴィオラを弾いたと伝えられています。

ハイドンは「太陽四重奏曲作品20」六曲を1771年に作曲しました。そして10年ぶりに新たな「弦楽四重奏曲ロシア」作品336の六曲を完成させました。

この作品群はハイドン自ら全く新しい特別の方法で作曲されたと言われていて、弦楽四重奏曲至上、画期的な意味を持ちます。これによって弦楽四重奏曲は古典主義的ソナタ形式を確立することになります。

モーツァルトはこの意味の重要性を認め、この「ロシア4重奏曲」を研究し、自らも新たな四重奏曲の作曲を決意します。

そして2年余りを費やし、ハイドンセット6曲を完成させました。

速筆のモーツァルトにとって2年というのは特別な意味を持つと言えます。

出版時にイタリア語で書かれたハイドンへの深い敬愛の念を込めた献辞の中でハイドンを「我が最愛の友」と呼びかけ、曲を「長く困難な苦労の果実」と、自らの息子に例えて、ハイドンの「庇護と指導の元にあらんこと」をという言葉を送っています。

ハイドンはレオボルトに

「神と私の名誉にかけて申し上げる。あなたのご子息は私の知る、あるいは評判で知っている全ての作曲家のうちで最も偉大な方です。

彼は優れた趣味を持ち、さらには最も優れた作曲の知識を持っています。」

と、最大級の賛辞をのべ、その才能を褒めしました。

「弦楽四重奏曲第14番」ト長調K.387は6曲あるうちの1曲目であり、「春」の愛称で知られています。

これは今までとは違った作曲をされています。

「モーツァルト　クロマティズム」という半音階が多用され、この音型が全ての楽章に折り込まれています。