2009年作品
この映画の監督・ホンサンスは、韓国人で、アメリカで映画の勉強をした。
そのせいか、フランス映画的なエッセンスのきいた作りになっている。
ホンサンス4部作の一つ(ほかに「ハハハ」、「教授とわたし、そして映画」、「次の朝は他人」が、ある)。
ホンサンスの映画は、ヨーロッパの映画祭で常に絶賛される。それは恋の物語だからだ。どこにでもいる男女の恋愛のやり取り、少しエスプリが効いていて、いつの間にか虜に。
本作も例にもれず、グダグダの恋愛話。
主人公は、映画監督。映画の町、チェチョン(堤川)の映画祭に審査員として出席。
で、講演会などをし、コーディネーターの案内で、夜飲み会に。
そしてグループで後輩の家に。そこで酔いつぶれてしまう。
監督は、恋はするが、まだ独身。
監督なだけに一応女には持てる。一方で、作品評には人一倍気にかかっており、なんとも微妙な立場。
酔って話しているだけの雰囲気に、なんとはなしの男と女、先輩後輩、映画監督の立場などが語られていく。
そして、そのグダグダがいやで、済州島へ逃げ出す。そこで、生徒たちに映画の話をしたのち、また飲み会に。
そこで知り合った、先輩。
翌日先輩の夫人に会うと、それは昔の恋人。
別れぎわに携帯電話番号を知らされ、のこのこ出かけて愛を交わす。
現場を村の人に見られ、大騒動に。
でも、彼女の気持ちは一時の遊びだった。
ほろ苦い映画監督。
文章にするより映像はもっと辛辣に映し出す。