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「キューティー&ボクサー」、篠原有司男・乃り子夫妻の40年の奮闘記

2014-07-19 16:29:16 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

 アート好き ☆☆☆☆

ニューヨーク在住40年、81歳の有司男と乃り子夫妻のアート人生物語だ。

冒頭、モヒカン頭の81歳の有司男が、「ボクシングペインティング」するところから始まる。

ボクシンググローブに、絵の具をたっぷりつけて、キャンパスに殴りつけ、その模様だけで絵を描く、いわゆる前衛アートだ。

岡本太郎にも絶賛され、その後ニューヨークに活躍の場を移し、世界的評判を得る。

乃り子は、19歳で絵の勉強にニューヨークへ行くが、そこで有司男と出会い、その芸術に惚れこみ、師匠として仕え結婚する。

しかし、その後、息子を授かり、一方で、アル中になるなど、苦労を重ねる。

年老いた今も、その日暮らしが続き、前衛芸術家の生活の暮らしのむつかしさをうかがわせる。

そんな貧しさも、かえって夫婦愛を勇気づけ、本映画も、その独特の夫婦像が、見る者のある種共感を呼び、映画が盛り上がる。

アメリカの若きドキュメンタリー作家が、密着して映像を撮り、撮りだめてあった夫婦の映像と、乃り子の独特のイラスト物語で作品を面白くしている。

音楽をサキソフォン奏者清水靖晃が担当、ニューヨークを浮き彫りにする。

年齢差のある乃り子から見た有司男像は、そのイラストが語るように、実に魅力的、飲んだくれで弱さも見せるその姿は感動を呼ぶ。

80歳を超えて、ボクシングペインティングに挑むエネルギーがうらやましい。









コメント
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