ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「プライズ~秘密と嘘がくれたもの」、アルゼンチン軍政下の母子の物語

2014-07-26 10:12:41 | 映画
おススメ度 ☆☆

 芸術性の高い映画好き ☆☆☆☆

劇場未公開、WOWOWで公開 ベルリン映画祭 銀熊賞受賞

メキシコ/フランス/ポーランド/ドイツ合作映画

メキシコを拠点に活動する女性監督のP・マルコヴィッチ作品。

冒頭海岸砂浜で遊ぶ一人の少女。

セリフも少なく、状況の説明もない。

だが、寒々とした光景が、ただならぬ予感を与える。

1970年、アルゼンチン。軍政下。監督の少女時代を描いた半自伝的映画。

母と子は、何かに逃げてこの町に来たようだ。

少女は学校へは行くが、秘密を話さないよう強く母親に言われている。

少女は、ともだちもでき、学校生活を楽しんでいるが、軍人が学校へ来てその時書いた作文が、母親の動揺と叱責を呼ぶ。

そして、表彰式に出る出ないで、母親と衝突。

少女は、孤独に追い込まれる。

原因が何かは、はっきりとは描かれないが、軍政下の圧力であることは確か。

ラストの少女の嗚咽が、この映画の質の高さを象徴する。

登場人物が少ない中で、少女が中心的存在。

パウラ・ガリネッリ・エルツォクの演技の素晴らしさに圧倒される。

全編に描かれる砂丘とそこに立つおんぼろ民家。

白黒に近い映像は魅力的だ。
コメント
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