おススメ度 ☆
芸術的な映画好き ☆☆
監督のアレクセイ・ゲルマン は、2013年に74歳で死去。
この映画は、1953年ソ連スターリン時代の末期。
後半、病床にあるスターリンも出てきます。
この映画の主人公は、脳外科医の軍医少将だが、父がユダヤ人陰謀事件のもと、迫害にさらされる。
軍医の病院、家庭。愛人宅と場所を変えて、雪降るソ連のなんとも不穏な当時の雰囲気が醸し出される。
ただ、映画は、筋があるのかないのか、たくさんの登場人物、それらがいろんなセリフを振りまくので、前後関係も不明で、見ていて混乱する。
1998年に作られた本作は、白黒それもハイキーな、時々ガスがかかる。
カンヌ映画祭にかけられるも「何が何だかわからない映画」として絶賛されたというから筋金入りだ。
なぜか、日本では、ロシア映画祭などで上映されたらしい。
DVD化が危ぶまれたが、DVDとなり、どこででも見れることになったが、さて、分からない映画として、金字塔を築くのだろうか。
白黒の映像と、そのトーキー時代風な、動きの中、不穏な空気が漂うのは、当時のソ連の気分なんだろうか。
「フルスタリョフ 車を」のタイトルは、スターリンの死ぬ間際の言葉として有名らしい。
世界的に稀有な独裁体制をとったスターリン、その晩年をカリカチュアライズしたと目されるのだが。