ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「歩いても歩いても」、人生はいつもちょっとだけ間に合わない!

2023-09-03 19:59:05 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

Unext鑑賞  2008年製作

是枝裕和監督が、年老いた両親の元に久々に集った家族の情景を静かなタッチで切り取り、人生の喜びと悲しみを浮かび上がらせたホームドラマ。

一見何気ない家族の集まりを描いた映画ではあるけれど、その中にいる年老いた父母と息子とそのお嫁さんなどの心情などが丁寧によく描かれている。父と息子の関係、嫁姑の関係、ちょっとギスっとしていて家族なのにお互い何だか間接的に向き合っているのを描いているのがお見事。

目で見せるのは今日一日のディテールだが、そのディテールの積み重ねが指し示すのは、目に見えない存在、15年前に海で溺れた少年を助けて死んだ長男。

跡取りを失った父親の失意、未だに兄へのコンプレックスを克服できない弟。そして、息子の死の痛手が辛辣な言動になって出てしまう母親。不在の存在がこの家族の葛藤の因になっていることが顕わになっていく経緯は、周到に仕組まれた推理ドラマを見るよう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「母の聖戦」、娘は私が取り戻す!

2023-09-03 17:44:57 | ヨーロッパ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

ベルギー・ルーマニア・メキシコ合作

2021年・第34回東京国際映画祭コンペティション部門では「市民」のタイトルで上映され、審査員特別賞を受賞。

誘拐ビジネスが横行するメキシコを舞台に、我が子を取り戻すべく奔走する母親の姿を、実話をもとに描いた社会派ドラマ。

全編ドキュメンタリータッチというか、母親目線で終始。

メキシコ北部の町で暮らすシングルマザーのシエロは、10代の娘ラウラを犯罪組織に誘拐されてしまう。犯人の要求に従って身代金を支払うも娘は返してもらえず、警察にも相手にされない。自らの手で娘を救うべく立ち上がったシエロは、軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉と協力関係を結んで調査していく中で、誘拐ビジネスの血生臭い実態を目の当たりにする。

誘拐犯罪が日常的にはびこっているメキシコ。その根は深い。

母やの執念がすごい。

だが、犯罪組織は根深い。

映画では描かれていないが、母親も殺されたみたい。

ドキュメンタリータッチが、リアルさをいや増す。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする