おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
フランス・ポーランド合作
1945年終戦直後。ポーランドの田舎街に侵入したソ連兵が修道院に押し入り、彼女たちに暴行を働いた。
その看護にあたった医師マドレーヌ・ポーリアックの手記をもとに映画化。
赤十字で看護にあたる女医師、修道女の頼みに最初は拒否するが、修道女の態度に負けて。
信仰深き修道院に単身乗り込み、まず帝王切開、その後も出産に立ち会う。
それも激しい赤十字の勤務の合間にだ。
修道院からの帰り道、ソ連兵の検問に引っ掛かり、強姦寸前になったり、病院では先輩医師と逢瀬を楽しんだりと、脱線気味なエピソードも。
一方で、信仰と事件に悩む修道院長、子供を産んでも、取り上げられ里親に出される非道さに精神を病む修道女も。
凛とした態度で、人道的な行為に専念する女医師の姿は、胸を打つ。
仏教国日本では、ちょっと考えにくい映画だが、戦争と男と宗教の権威と、女性の権利を侵すものを描いて問いただす。
最後は、アイデアで救われるが、暗い映画なのに、淡々とした描写が静謐だ。
カメラが実に美しい。
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