ひろの映画見たまま

映画にワクワク

映画「ツリーオブライフ」、映像で語る人生!

2011-08-21 14:56:57 | アメリカ映画

綺麗な映像の連続に圧倒されるが、見ようによっては退屈そのもの。

話の主体は、主人公の誕生から少年時代までの家族の物語だ。

強い男を理想とし、厳格にしつけようとする父、対照的な優しさに満ちた母親。

でも、父親は時に粗暴であり、母親は時に被虐的だ。

長じて建築家となった主人公の回想とでもいおうか。

出てくる映像は、ミクロからマクロへ、自然と建築の芸術的な映像、バックに流れるクラシック音楽。

そして神の問題も。

果ては、あの世の世界も描かれ、時代を超越する。

キリスト教者でない私たちには、少し難解。

でも、考えれば現世の様々な問題を比ゆ的にまたは直接的に表現し、

その映像の素晴らしさが、心に届く。

 

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新藤兼人の映画「一枚のはがき」を観る

2011-08-20 15:57:43 | 日本映画

99歳の監督、新藤兼人。

それにしても、エネルギーは衰えていない。

もうこれを最後とするそうだが。

で、みずからの体験から、上官のくじで決められた生死の境。

ベッドを上下にした親友に訪れた妻からの一枚のはがき。

そのはがきが、またもや人生を紡ぎだす。運命のいたずら。

手紙を出した妻は、夫を戦死で亡くし、その弟と結婚するも、弟も出世、死亡。

残された、父と母は相次いで死んだ不幸。

一方、生き残って帰った男の妻は、父とできて街へ出て行っていた。

不幸な二人を結びつけた一枚のはがき。

二人のやりとりなど、綿密な新藤話術でひっぱっていく。

妻にすり寄る団長の姿は、村社会の象徴でもあり、喜劇的だ。

そしてラスト、「裸の島」をおもいださせる、両天秤の水運び。

新藤の原点は、ここにあった。

 

 

 

 

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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 人間の条件 第4部

2011-08-19 18:03:07 | 日本映画

人間の条件第3部と第4部は、軍隊での生活が中心。

一度は、病院にいたが、看護婦と親しく話しているところを見つかり

前線へ。

そこには、少尉となっていた親友の影山と再会。

初年兵の教育を頼まれるが、古参兵を入れない組織にする。

しかしこれに反抗する古参兵に集団でリンチを受ける・

梶にしては珍しく、ぶちぎれるが、前線に駆り出される・

終戦、間近、ソ連の参戦により、兵力に劣る日本軍は、全滅する。

終わりに仲代が、この映画を振り返って語るが、

古参兵によるリンチは、実際に殴られ顔が腫れあがったとか、

戦車に惹かれるシーンでは、戦車が壕を踏み越えるその壕へ飛び込むという

危ないシーンもあったとか。

今では、いろんなテクニックで撮られるシーンが真面目に撮影されたそうだ。

確かに迫力満点だ。

実体験をした、作家と監督の渾身の作品だ。

 

 

 

 

 

 

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「人間の条件 第3部」 NHK山田洋次が選んだ日本映画百選

2011-08-18 17:37:14 | 日本映画

主人公梶は、赤紙で召集される。

反戦論者が軍隊でどんな扱いをされるのか?

まず初年兵だ。過酷な訓練と古参兵からのしごき。

弱いものはつぶされる。、

体の丈夫な梶は、優秀な成績であるが、

体の弱いものは、常にしいたげられ、ついには自殺に追い込まれる。

死者まで出した弱い者いじめに、敢然と立ちあがり抗議する梶。

しかし、軍隊という組織は、反抗者をいたぶる。

遠くから会いに来た妻、温情で合わせてもらうが、

翌日、剣道による徹底的なしごき。

一方、梶と気脈の通じた新庄一等兵は、不祥事で牢につながれるが、脱走。

しかし、その途中湿原でおぼれて死んでしまう。

理不尽なことの多い軍隊で、精いっぱい反抗するが、所詮独り相撲。

当時の初年兵たちの厳しい扱いに、今では考えられない人間の醜さが露呈する。

撮影当時、目を出していなかった、佐藤慶と田中邦衛の演技に括目。

 

 

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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 人間の条件 第2部

2011-08-17 11:53:24 | 日本映画

人間の条件は、1部、2部で一つの物語となっている。

満州の軍需会社で、労務を担当していた梶。

中国人捕虜を受け入れ、労働者として管理していた。

若き血の燃える彼は、暴力で働かせるのではなく、

話し合いで解決しようとしていた。

そして労働条件の改善にも尽くしていたが、

捕虜たちの脱走事件が起こる。

捕虜のリーダーとの話し合いを続け、事件を広がらないよう尽力する。

しかし、様々な妨害、

金、女、嫉妬、権力争い、軍の関与、などなど。

毎日連続して問題が発生する。

そして、再び事件が、

ついに捕虜処刑にまで、発展。

人道主義をとるか、命をかけるか。

究極の選択に、梶はどう答えたか。

戦時下の満州での、命のせめぎあい。

梶の身を捨てての行動が感動を呼ぶ。

それを支える、妻との愛情。

骨太の社会ドラマにうならせられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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人間の条件 第1部 純愛編 (NHK山田洋次が選ぶ日本映画100選)

2011-08-16 10:15:09 | 日本映画

丁度終戦記念日にあたる8月15日に第一回が放映されるというのも、ある意識が働いたのか。

五味川純平の渾身の力作の映画化だ。

それをまた、力量のある小林正樹が監督した。

6部作、3年がかりで制作されたという。

戦争物語だ。戦争を知らない若い人たちに是非見てほしいものだ。

なぜなら、この作品は、実際に戦地での体験をした人たちによって作られているからだ。

それも、日本側からだけでなく、中国側からも描いている。

当時の状況から、中国人は、日本人が演じている。それも力量ある俳優がだ。

若干、たどたどしい中国語だが、私たちは日本語訳で見るから祖語はない。

で、山田洋次がこの作品を取り上げたのは、家族映画としてだ。

相思相愛の男女が、戦争を前にしての苦悩、

そして、中国の軍需産業下での苦労。

その状況は、一面現在のサラリーマン生活にも通じる。

会社人間に、強引に仕立てあげられる第1部。

そこでは、仕事人間の夫婦の葛藤が実に見事に描かれている。

仲代達也と新珠三千代の絶妙のコンビが初々しい夫婦を演じている。

第6部まで、連日放映される。見る方も大変だが、見ごたえがある。

 

 

 

 

 

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