こう暑くっちゃ頭の中が煮えくりかえそうだから、7月から図書館から借りてくる本は、
もっぱら楽しく読めるエッセイ本。
1話1話が短く完結だから、えっ?と思ったりふんふん頷いたり。
どこから読んでも終わってもすっ飛ばしても大丈夫な懐の深さがなおのこと気楽で。
こんなこと言ったら作家さんに叱られるわね。ま、そんなもんよ。はい。
で、偶然発行日が2017年を選んだ。いや選んだ本がそうだったというわけね。
なんの意味もないけど、偶然が面白かったので。
『赤いゾンビ、青いゾンビ。』川上弘美著
あとがきで川上さん、
読者から「ほんとうのことがほとんどだ、と言ってもそれはやっぱり嘘で、
東京日記の半分くらいは、つくりごとなのですよね」と聞かれます。って。
そうです、私ももちろん聞きます。ほんと?ってちょっと疑うから。
川上さん、「たいがい、ほんとうのこと」とこたえてますけれど。そうかしら。
でも、川上さんならありそうかな、と思うのも半分。
『対岸のヴェネツィア』内田洋子著
内田さんのエッセイは好きなのです。
ジュデッカ島に住むことになった内田さんが、暮らしていくうちに見たヴェネツィア。
ジュデッカ島からみた対岸のヴェネツィア、人々の暮らし日常。
読んでいるそばから情景が生き生きと浮かんできて、目の前で生活が営まれているかのよう。
『ていだん』小林聡美著
いちばん興味を持った鼎談は 小林聡美×もたいまさこ×片桐はいりのお三方のそれね。
「かもめ食堂」から10年。
鼎談でよかったなって。対談だったらちと大変だったんじゃないかと邪推。
もたいまさこ×片桐はいりさんの対談だけは難なく成立しそうな気がするの、って内緒。
『忘れる女、忘れられる女』酒井順子著
「老老社会の未来」
酒井さんはバスによく乗るそうな。
都にはシルバーパスなるものがあって(横浜では敬老パスにあたるわね)パスがあればバスは乗り放題。
(もちろん最初に一定金額をはらう、ここら辺も同じね)だから乗客はお年寄りが多い。(これも同じね)
で、バスに乗る時に何となく考えてしまうのが、
「この席はずっと座っていられるかどうか」(うんうん同じ同じ、と大きく頷く私)
となると、後方座席、それも奥の方をせこく選んでしまう。(またまた大きく頷く私)
酒井さんはとても疲れているときだというけれど、私はそこはもう通り過ぎていつも、なの。
でそこから酒井さんは考えてしまう。
どちらが若いおばあさんかによって「座席の老老譲渡」がはじまり、またスマホ操作の若者たちが気が付かないための
「老妊譲渡」が来るって。これが近未来の日本の姿ですって。(またもや大きく頷いて憂える)恐ろしや。
関川さんだけは2017年ではない。ただ一人男性「やむを得ず早起き」が面白かったので。
『夏目さんちの黒いネコ やむを得ず早起き②』関川 夏央著
将棋界の世界をとらえた「早熟という「災い」とたたかう小社会」から。
中国の古人がいった「人生の三災」とは。
中年で親に死なれること 老いて妻を喪うこと
それらとならぶ災いとは「少年得志」。若いうちに成功してしまうことね。
将棋界は天才だらけだから「少年得志」が多いと。そして続けて、
残酷なことに人生は意外と長い。不幸なこととたたかいつづけなければならない。
ですって。そうだなと軽く頷いたりして。
オリンピックのスケボーで13歳の少女が金メダル獲得、すぐに彼女のこれからが
浮かんだわ。
別にか、年寄りが要らぬお節介しても今どきの若者だ、案外にするっと生きて行くよね。
どれも外れなしでとても面白かった。と、えらそう。
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