本当はひっくり返っていたかったけれど、介護友が関わっていたから、
「今度ばっかりは断れんだろ」と遅刻友に引きずられるようにして昨日行って来ました。ありがとう、転がっているよりずっとよかったわ。
それにしてもお元気な寂聴さん。
白内障の手術をして
耳も遠くなってるのよ
本当は膝が痛いの、でも歩くときはさっさと歩いて見せないようにしているのよ
仕方ないわね、年をとっているんだから
とご自分の健康のことすら笑いの種になさって。
数えで米寿を迎えているというのに、1時間半の間、立ちっぱなし張りのある声で
話っぱなし、水も飲まれない。もう超人としかいいようがありません。
人の心が温かくて親切でと褒めてくださる。だから、佐渡に流された世阿弥の晩年は幸せだったのではないかと、そんな視点で『秘花』を書かれたと。
「佐渡は第3の故郷」と言いきって、もっと自信を持ってもいいってと。
ご自分が編集している雑誌の宣伝をしても、高い買い物のことを話されても、著書のご自慢をしても、目の前の寂聴さんの愛嬌のある嫌みのない姿を拝見していると可愛い人だなと不遜にも思ってしまいます。
そして、いつも話されている「定命」のこと。
人は生まれながらに「定命」を持っているから、それが尽きるまで生きなければいけないって。
ボロボロになっても認知症になってもどんなになっても生きなければいけないって。
生まれさせてもらったのだから、自分の幸せだけを求めるのではなく、誰かに喜びや幸せを与えられる存在にならなけらば。生まれさせてもらうとはそういうことだそう。
過去は過ぎたことなんだからもうないの、だからあのとき、なんてくよくよ考えない。
将来はは分からないんだから、どうなるのかなんて思い悩まないの。どうせみんな認知症になるんだから。
だから、今日を精いっぱい楽しまなくては。おんなじ1日なんだからね。
それには、わくわくどきどきする気持ちを忘れないでって。
寂聴さんは、イ・ビョンホン、サガンの息子、本木くんと3人のハンサムないい男と対談したけれど、思ったほどドキドキわくわく楽しめなかったそう。年だわね、と笑わせてくれたけれど。
だから、誰かを好きになって、朝目が覚めた時、例えばヨン様どうしてるかなと思うことはいいことなのよ、とおっしゃる。わくわくするドキドキするは生きる活力を与えてくれるから。そこだけは、うん、私は大丈夫だなと思ったわ。
(メモしていないから、うろ覚えで、こんな内容だったなとあいまいな点はお許しを)
私は、晴美さん時代は熱烈なファンだったけれど、寂聴さんになってからの著書はほとんど読んでいない。直接お話を聞いてその魅力に惹きつけられて、もう一度・・・になるかもしれない。それにしても人たらしなお方です。