ちょっと恥ずかしいけれど告白するわ。
実は、原村へのドライブに、私は大人のおむつデビューをしたのです。
紙パンツ穿いたの。
なにしろ私のそちら方面の臓器は我慢ができない。
つんつんと合図したら速攻で出ようとするから油断も隙もない。待てがきかない。
それも6時から7時台に集中して「おくさーん」と来るからね、
その時間帯に出発しようってんだから私は不安なわけよ。
万が一、そういうことになったら、ね。いくらコンビニや何かがあるからって
我慢ができないんだから、間に合うか。夫はすぐ言え、と言うけどむりむり。
そこで登場してもらったの、紙パンツ。多々の疑問もあるけれどいくらか増しだろうと。
見た目も感触ももこもこしているから、うーんとは思ったけれど
背に腹は代えられぬ、まままと穿いてみたらあらまあ違和感なし。
あったかくてお腹までくるし、ズボン掃くのに邪魔にならないし、上げ下げ問題なし。
こりゃあ普段でも穿くかのレベル。安心したから普通にパンツの役割だけで終わったわ。
『老~い、どん!あなたにも「ヨタヘロ期」(70~90代)がやってくる』
樋口恵子 87歳
(70~90代)と年齢限定に惹かれて、ひっくり返ってめくっていたらまさにドンピシャ。
「第3章 老いて歩けば」
安心パッドとの再びの出会いの項目に「大人用おむつの伸び」とあって。
かいつまんでいえば、
尿取りパッドを上手に使って、いくつになってもお出かけを楽しんで生き、
生涯のできるだけ長い時間、行きたいところへ行き、出会いたい人と接し
見たいものを見る、そんな高齢者の行動の自由を寿ぎたい。
老いて安心パッドは、女性にとっては今ひとたびのまたの出会い。
うんそうだそうだ、これからは尿取りパッド大人用おむつのお世話になりながらでも
外歩きを楽しもうって、心強く思ったわ。
恥ずかしさなし抵抗なし、外歩きの方を優先。
樋口さん、家が老朽化して雨漏りはするし地震対策もしていないからと、
84歳の建て替え引っ越しをした。その後貧乏鬱になったと何回も書いているのよ。
人の寿命が家の寿命を追い越して、第2第3の住居が必要になってくる時代で。
「老後が心配なのよ」と言ったら、友人に(勝手に上野千鶴子さんと踏んでいる)
「樋口さん、今でも充分老後じゃない」と言われたそう。だけど、
人生100時代だから85歳でもまだ老後が心配なのよ、とあったから、そうかあとため息。
「人生100年丸」に乗って ですって。
他にも「買い物の効用」として、
外へ出て人に会う、少しは口をきく、挨拶する
老いても一定の判断力がある限り、買い物という社会参加と決定権を
最後まで持たせてほしい。
「青年よ大志を抱け」「老年よサイフを抱け」なんて。
「買い物の効用」については、以前こまわりくん車中で、老女が元気なわけを老人から
聞いたことがあったから十分納得。
私の今後は「結婚生活は一幕ものからたっぷり二幕に、時間にして2倍の長丁場に」
になったこれからを、
「自分の弱さを受容する、必要な支援を受け入れる「ケアされ上手に」
な老女になれるかだわ。
自我に対するいさぎよく清々しい諦念。
その上になおも輝く筋をとおして生き抜いてきた自信と自尊心。
「ありがとう」と感謝のことばや介護者を認めることばを持っている。
どこかユーモアがあること。「ヘルプミー」と言えるかどうか。
ああ、難しい。どう想像しても無理そうだわ。
健康寿命と平均寿命の間のおよそ10年を「ヨタヘロ期」という87歳の著者。
「老~い、どん! 」の号砲が鳴った自らの生活や、心と体の変化をユーモラスに語ります。
また、老いてなお自立して生きるための提言も。
大笑いしながら、人生後半の生き方を考えずにはいられない、著者渾身のエッセイです。