軟弱な私は、何をするでもないのに朝晩の病院通いに疲れだけを澱のように溜めてしまって。
越後丘陵公園の秋バラで癒やしてもらおうか、東京藝術大学大学美術館の興福寺創建1300年記念「国宝 興福寺仏頭展」で癒やしてもらおうか、さんざん悩んだけれど。
結局、途中下車乗り換えの煩雑さに気持ちが追い付かなくて仏様に頼ることを決めた。
いやあ、正解!
小雨降る中、上野のお山のいちばん外れにある美術館までとぼとぼ歩いた甲斐があったわ。
今回は『白鳳の貴公子』さんの微笑みが目当てでなく、ひたすら板彫りと木造の『十二神将像』たちに会いたかったのね。
展示室に入った途端、もうだめ。ちょっと感動でググッと来た。
大好きなのよ、かわいくてユーモラスで思わず笑いが込み上げて来ようというもの。
こちら国宝「板彫十二神将像」(平安時代)
http://butto.exhn.jp/highlight/itabori.html
板彫りだけれど全身が想像できる迫力。
展示も正面向き1面、左向き6面、右向き5面としたと説明があったがこれがすごく効果的で。
ぐるぐる何回も回ってお姿拝見した。
そして、さらに、いちばんのお目当て 国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)
http://butto.exhn.jp/highlight/mokuzo.html
1体1体黒い円の中にすっくと立っていて、縁に沿ってぐるりと回ると全身が眺められる展示。
ゆったりした館内で思う存分愛でられて、まことに気分良好。満足満足でして。
ぜひともお持ち帰りしたい神将2体。
*毘か(漢字が出せない)羅大将
腰をくいっと色っぽく曲げて、遥か向こうを眺めれば、のポーズ。
可笑しくて顔がニヤついたね。
*因達羅(いんだら)大将
目え剥いて口をへの字に曲げて「どうだ!」のえばりポーズ。
それがいかにも空威張りに見えて、こちらも笑ってしまう。
宗教的な意味やら何やらはさておいて、といおうかさっぱり分からないけれど、
いいんだそんなもん、と楽しめて、
よかったわ。