梅雨明け昨日。今朝の空。
ヒロミチャンがカバンに杖を差し込み足を引きづりながらクラス会場のホテルにやってきた。
女性群の目がテンになり、いやだ、どうしたの!?と一斉に声を発する。
「詳しく説明すると半日はかかるわよ」とヒロミチャン。うん知ってる、あなたの順を追って過不足ない話ぶり。
娘にね、おかあさんもう年なんだから木に登ったりしちゃだめよって言われてたのよ。
でもね、梅の木が気になってたからどうしても切らなくちゃと思って、夕方になってたけど脚立出して切ったわけよ。
それはいいの、その後よ。庭の横に幅1メートル、同じくらいの深さのどぶがあって木の板を渡してあったのね。
と。切った木を抱えてそのどぶ板に足をのせたら、どぶ板が壊れてぼちゃーんとどぶにおっこったそうな。
臭いどぶから上がろうとしても、右足がぶらぶらしていうこときかないんですって。
近所に助けの声を出しても、冬の夕方だから雨戸締めてて聞こえないらしいんですって。
泣きたい思いで腕だけでようよう這いずりあがったけれど。
膝の粉砕骨折で足にはボルトが8本も入っているそうな。
聞いているだに恐ろしい。
「お尻の筋肉が落ちてトイレの便座にはまり込みそうになったわよ」と笑わせる。
聞いていたテルチャンの場合。
「ヒロミチャンは痩せている話だけど、私は太ってるから大変だったのよ」の話。
そうなのテルチャンボリュームがあるの、胸なんかどーんと出てて羨ましいくらい。
なんでも塀の隙間にお隣さんの竹がけっこうな勢いで生えてきたんだって。
こんくらいの隙間よ、と手でしめしたのを見ると3,40センチくらいかしら。
それ以上増えても困ると思い、何でもやっちゃうテルチャンが隙間に入り込んで竹を刈り取り、
そばにいたご主人にハイと渡したそう。そこまでは上出来だったそうよ。
が、いけない、その後が地獄のような悪戦苦闘の脱出劇。
お察しの通り、その隙間から何をどうやっても捩ってもすぼめても身体が抜けない。
「ほら中国でよくあったじゃない、あんな感じよ。主人にレスキュー隊を呼んでもらおうと思ったくらい」って。
あなた、胸が邪魔したんでしょ、とからかうと、ほんとにそうなのよ、と。
いやいやその場の女性陣は体半分に折って大笑い。涙流している。
脱出後、具合が悪くなって1日寝込んだわよ、ドタキャンしなくちゃならないと思ったわですって。
痩せてても太ってても困りごとをユーモアに替えてしまう年の功。
「年寄りの冷や水」なんて冷やかしちゃいけない。