毎年お正月の第一土曜日には、茶道教室の初釜があります。今年も夫と一緒に
初釜とその後に行われる宴会に参会してきました
基本的には、落ち着いた優しい色合いの色無地に、格のある帯が好ましいと言わ
れるお茶会での装いですが、この初釜についてだけはその限りではありません。
皆さんお正月らしく華やかな装いで、未婚のお嬢様は振袖を、既婚の女性でも
華やかで明るい色合いの訪問着や三つ紋の色留袖などの礼装で装います。
私は毎年訪問着で出席させて頂いています。外部のお茶会に参会するときなどは
色無地に袋帯で伺いますが、社中でのお茶会や、お師匠さんが席持ちをされる
大寄せのお茶会などでは、お師匠さんの奥様から「華やかにしてきてね?」と
おっしゃって頂く場合も多くて、派手になり過ぎない程度に華やかな装いをする
ようにしています
ここ数年は、秋に行われている三味線の舞台のために誂えた着物を、翌年の初釜
にも着るようにしています。今日も去年「公庄工房」さんで別誂えをして頂いた
訪問着で出席しました
今回は地色にとってもこだわって作った着物ですので、初釜でもたくさんの方に
「すごく綺麗な色ね鮮やかだけどキツくなくて、なかなか無い色合いよね。」
とおっしゃって頂くことができました。
地色は華やかなのですが柄の色合いが落ち着いているので、このまま40代まで
着ることができるのが嬉しいです
秋の三味線の舞台の時には白い派手めの帯を合わせて、小物は橙色&赤で統一
していましたが、今回はまた違った取り合わせに挑戦しました。黄色の着物に
鶸色の帯という、芸舞妓さんの装いに近いような組み合わせです。
着物は七宝の地模様のある生地を綺麗な黄色に染め、様々な文様が描き込まれた
大きな束ね熨斗を大胆に描いた、「公庄工房」さんによる別誂えの訪問着です。
伊達衿は帯のに合わせて鮮やかな鶸色を選びました。
帯は箔使いの鶸色地に、吉祥文様である老松を3つ重ねた大きな「三階松」が
織り出されている、山口伊太郎氏創業の西陣の名門「紫紘」製の袋帯。
帯揚げは橙色の総絞り。
帯締めは明るい橙色と白と金がグラデーションになった、礼装用の平組紐。
今日は夫も着物で参会しました茶色の紬の長着に、明るいグレーの袴姿です。
通常、お茶席では男性は必ず袴を着用、足袋は白、羽織は脱ぐのが基本です。
男性の着物はお腹が出ていないと着付けが大変なのですが、夫のお腹はぺたんこ
なので、今日の補正には薄めのバスタオルを3枚も使いましたそれでも最近では
自分で着物も袴も着られるようになってくれたので、助かっています
今日はまず寄り付きで「お福茶」と呼ばれる昆布と梅を使ったお茶を頂きます。
その後、お正客から順番に席入りをして、まずはお濃茶を頂きます。お濃茶の
時に頂くお菓子は毎年決まって同じもので、「花びら餅」というもの。
これは裏千家の初釜には付きもののお菓子で、丸く平らにのした求肥のなかに
密漬けした牛蒡を白味噌と薄いピンク色の餡で包んだものを入れて、半月型に
畳んだものです。毎年これを食べると、新年を迎えたのだなぁと実感します
お茶を頂くのは「嶋台」と呼ばれる、2つセットのお茶碗です。これは初釜にしか
使われないもので、少し大きなお茶碗は内側が金、それより小ぶりのお茶碗は
内側が銀で塗られています。それぞれ高台が六角と五角になっていて、六角は
亀、五角は鶴を表すおめでたいお茶碗。
濃茶席のお床には、天井から吊るされた結び柳、「壽似南山(じゅ なんざんの
ごとし)」と力強くかかれた墨蹟、そして蓬莱山飾りが飾られていました。結び
柳と蓬莱山飾りは初釜の決まりもの。
蓬莱山飾りは、裏千家お家元の初釜とほぼ同じものを飾っています。奉書を四枚
敷いたお三宝の上に裏白とゆずり葉を四方に敷いて洗い米を敷き詰め、炭を中央
に据えて昆布を載せ、串柿をその上に水平に置き、橙を載せて、梅干・ごまめ・
昆布・長老喜をそれぞれ皿に持って四方に置き、手前に伊勢海老を飾ります。
茶道では炭がとても大切なものなので、こうして初釜には炭を飾るのです。
濃茶のあとは一度中立ちをして、改めて薄茶席に席入りをします。薄茶席では
八寸とよばれるおつまみとともに、お屠蘇を頂きます。八寸は海のものと山の
ものを1種類ずつ用意するのが基本ですが、今日は黒豆とカラスミでした
お菓子は干菓子で、鶴と模した可愛らしい和三盆と、松を模した干琥珀です。
お茶碗は今年の歌会始のお題である「立」にちなみ、立鶴が描かれたもの。
その他にもお正月らしい華やかな御所車の絵付けのものなどが出ました
薄茶席のお床には干支の置物が飾られ、お軸は琵琶を描いたものが掛けられて
いました。今年は巳年ということで、ヘビは弁天様のお使いであるため、弁天様
の持ち物である琵琶を描いたものを選ばれたそうです。
絵の上には「福徳妙音天」と書かれていました。妙音天とは弁財天の別称で、
弁天様が奏でる音は「福徳(とてもおめでたいもの)」であるという意味です。
今年の別誂えをする訪問着には、和楽器を描いて頂こうかと思っていましたが、
琵琶を上前の柄に使うと、ちょうど今年らしいものになるかも知れませんね
お茶会のあとは、全員で準備をして恒例の宴会です人数が多いので写真には
入りきらないのですが、普段のお稽古では時間がずれてお会いできない方々とも
楽しくお話をさせて頂きました。今年は男性のお弟子さんが増えてきたので、
「そろそろ男だけの茶会をやりたい」とお師匠さんがおっしゃっていました。
亭主側が全員男性、客側は全員女性という、面白いお茶会になりそうですね。
今風に言えば「執事カフェ」みたいな感じでしょうか
毎年お弁当の他に、お師匠さんの奥様がお吸い物や酢の物や煮物を用意して
くださっています。また、箸袋にはお師匠さん自ら弟子の名前を一人一人書いて
くださっています(画像では名前を消しています)。
楽しい初釜のあとは、夫の実家へお伺いして、お義父さまやお義母さまに、夫の
羽織袴姿を見て頂きました。夫が着物姿を見せたのは成人式と結婚式だけで、
それ以外は見せに行っていなかったので、ちょうど良い機会でした
今日は朝からおでかけで疲れたので、夕飯は簡単にできるものにしようという
ことになり、お肉が食べたかったのですき焼きにしてもらいました。
いつものごとく、私がお風呂に入っている間に夫が準備をしてくれていました。
食べる時も煮たり焼いたりは夫がやってくれるので、私は好きなものを言って
自分のお皿に入れてもらうだけで、とってもラクチンです。いつもありがとう
すき焼きには日本酒が合うと思ったのですが、夫はせっかくお正月なのだから
イタリアで入手したワインを飲もうと言って赤ワインを用意してくれました。
これはトスカーナの小さなキャンティのもので、私達が宿泊したホテルが所有
しています。このホテルは夫の友人が運営しているので、お土産で頂きました
中世の古いお城を改装したホテルで、とっても素敵な場所でした。イタリアの
新婚旅行記が途中で止まっているので、近いうちに更新しなければ…
朝からのお出かけで少し疲れましたが、楽しいお茶会に宴会、美味しいワインと
お夕飯で、素敵な一日になりました
お休みはあと1日。好きなことをして過ごそうと思います。
初釜とその後に行われる宴会に参会してきました
基本的には、落ち着いた優しい色合いの色無地に、格のある帯が好ましいと言わ
れるお茶会での装いですが、この初釜についてだけはその限りではありません。
皆さんお正月らしく華やかな装いで、未婚のお嬢様は振袖を、既婚の女性でも
華やかで明るい色合いの訪問着や三つ紋の色留袖などの礼装で装います。
私は毎年訪問着で出席させて頂いています。外部のお茶会に参会するときなどは
色無地に袋帯で伺いますが、社中でのお茶会や、お師匠さんが席持ちをされる
大寄せのお茶会などでは、お師匠さんの奥様から「華やかにしてきてね?」と
おっしゃって頂く場合も多くて、派手になり過ぎない程度に華やかな装いをする
ようにしています
ここ数年は、秋に行われている三味線の舞台のために誂えた着物を、翌年の初釜
にも着るようにしています。今日も去年「公庄工房」さんで別誂えをして頂いた
訪問着で出席しました
今回は地色にとってもこだわって作った着物ですので、初釜でもたくさんの方に
「すごく綺麗な色ね鮮やかだけどキツくなくて、なかなか無い色合いよね。」
とおっしゃって頂くことができました。
地色は華やかなのですが柄の色合いが落ち着いているので、このまま40代まで
着ることができるのが嬉しいです
秋の三味線の舞台の時には白い派手めの帯を合わせて、小物は橙色&赤で統一
していましたが、今回はまた違った取り合わせに挑戦しました。黄色の着物に
鶸色の帯という、芸舞妓さんの装いに近いような組み合わせです。
着物は七宝の地模様のある生地を綺麗な黄色に染め、様々な文様が描き込まれた
大きな束ね熨斗を大胆に描いた、「公庄工房」さんによる別誂えの訪問着です。
伊達衿は帯のに合わせて鮮やかな鶸色を選びました。
帯は箔使いの鶸色地に、吉祥文様である老松を3つ重ねた大きな「三階松」が
織り出されている、山口伊太郎氏創業の西陣の名門「紫紘」製の袋帯。
帯揚げは橙色の総絞り。
帯締めは明るい橙色と白と金がグラデーションになった、礼装用の平組紐。
今日は夫も着物で参会しました茶色の紬の長着に、明るいグレーの袴姿です。
通常、お茶席では男性は必ず袴を着用、足袋は白、羽織は脱ぐのが基本です。
男性の着物はお腹が出ていないと着付けが大変なのですが、夫のお腹はぺたんこ
なので、今日の補正には薄めのバスタオルを3枚も使いましたそれでも最近では
自分で着物も袴も着られるようになってくれたので、助かっています
今日はまず寄り付きで「お福茶」と呼ばれる昆布と梅を使ったお茶を頂きます。
その後、お正客から順番に席入りをして、まずはお濃茶を頂きます。お濃茶の
時に頂くお菓子は毎年決まって同じもので、「花びら餅」というもの。
これは裏千家の初釜には付きもののお菓子で、丸く平らにのした求肥のなかに
密漬けした牛蒡を白味噌と薄いピンク色の餡で包んだものを入れて、半月型に
畳んだものです。毎年これを食べると、新年を迎えたのだなぁと実感します
お茶を頂くのは「嶋台」と呼ばれる、2つセットのお茶碗です。これは初釜にしか
使われないもので、少し大きなお茶碗は内側が金、それより小ぶりのお茶碗は
内側が銀で塗られています。それぞれ高台が六角と五角になっていて、六角は
亀、五角は鶴を表すおめでたいお茶碗。
濃茶席のお床には、天井から吊るされた結び柳、「壽似南山(じゅ なんざんの
ごとし)」と力強くかかれた墨蹟、そして蓬莱山飾りが飾られていました。結び
柳と蓬莱山飾りは初釜の決まりもの。
蓬莱山飾りは、裏千家お家元の初釜とほぼ同じものを飾っています。奉書を四枚
敷いたお三宝の上に裏白とゆずり葉を四方に敷いて洗い米を敷き詰め、炭を中央
に据えて昆布を載せ、串柿をその上に水平に置き、橙を載せて、梅干・ごまめ・
昆布・長老喜をそれぞれ皿に持って四方に置き、手前に伊勢海老を飾ります。
茶道では炭がとても大切なものなので、こうして初釜には炭を飾るのです。
濃茶のあとは一度中立ちをして、改めて薄茶席に席入りをします。薄茶席では
八寸とよばれるおつまみとともに、お屠蘇を頂きます。八寸は海のものと山の
ものを1種類ずつ用意するのが基本ですが、今日は黒豆とカラスミでした
お菓子は干菓子で、鶴と模した可愛らしい和三盆と、松を模した干琥珀です。
お茶碗は今年の歌会始のお題である「立」にちなみ、立鶴が描かれたもの。
その他にもお正月らしい華やかな御所車の絵付けのものなどが出ました
薄茶席のお床には干支の置物が飾られ、お軸は琵琶を描いたものが掛けられて
いました。今年は巳年ということで、ヘビは弁天様のお使いであるため、弁天様
の持ち物である琵琶を描いたものを選ばれたそうです。
絵の上には「福徳妙音天」と書かれていました。妙音天とは弁財天の別称で、
弁天様が奏でる音は「福徳(とてもおめでたいもの)」であるという意味です。
今年の別誂えをする訪問着には、和楽器を描いて頂こうかと思っていましたが、
琵琶を上前の柄に使うと、ちょうど今年らしいものになるかも知れませんね
お茶会のあとは、全員で準備をして恒例の宴会です人数が多いので写真には
入りきらないのですが、普段のお稽古では時間がずれてお会いできない方々とも
楽しくお話をさせて頂きました。今年は男性のお弟子さんが増えてきたので、
「そろそろ男だけの茶会をやりたい」とお師匠さんがおっしゃっていました。
亭主側が全員男性、客側は全員女性という、面白いお茶会になりそうですね。
今風に言えば「執事カフェ」みたいな感じでしょうか
毎年お弁当の他に、お師匠さんの奥様がお吸い物や酢の物や煮物を用意して
くださっています。また、箸袋にはお師匠さん自ら弟子の名前を一人一人書いて
くださっています(画像では名前を消しています)。
楽しい初釜のあとは、夫の実家へお伺いして、お義父さまやお義母さまに、夫の
羽織袴姿を見て頂きました。夫が着物姿を見せたのは成人式と結婚式だけで、
それ以外は見せに行っていなかったので、ちょうど良い機会でした
今日は朝からおでかけで疲れたので、夕飯は簡単にできるものにしようという
ことになり、お肉が食べたかったのですき焼きにしてもらいました。
いつものごとく、私がお風呂に入っている間に夫が準備をしてくれていました。
食べる時も煮たり焼いたりは夫がやってくれるので、私は好きなものを言って
自分のお皿に入れてもらうだけで、とってもラクチンです。いつもありがとう
すき焼きには日本酒が合うと思ったのですが、夫はせっかくお正月なのだから
イタリアで入手したワインを飲もうと言って赤ワインを用意してくれました。
これはトスカーナの小さなキャンティのもので、私達が宿泊したホテルが所有
しています。このホテルは夫の友人が運営しているので、お土産で頂きました
中世の古いお城を改装したホテルで、とっても素敵な場所でした。イタリアの
新婚旅行記が途中で止まっているので、近いうちに更新しなければ…
朝からのお出かけで少し疲れましたが、楽しいお茶会に宴会、美味しいワインと
お夕飯で、素敵な一日になりました
お休みはあと1日。好きなことをして過ごそうと思います。