数日前に別誂えの名古屋帯が染め上がったばかりではありますが、早くも次なる
別誂えが始まっています今回は小紋を作っていただくことになりました
別誂えは既製の小紋ではなかなか手に入らない色柄の物を作るのが目的なので、
今回もあまり見かけないような柄のものをお願いしました
選んだ図案は「誰が袖」文様。前回の貝桶とは違って、こちらはもともと工房で
保有していた図案ですので、お伝えしてすぐに送って頂くことができました。
私が選んだのは振袖の袖を描いたもの。下に重ねた衣が袖の振りから覗いたり、
袖の形がリズミカルで可愛らしいところが気に入りました。袖に描かれている
のは萩・菊・桜・梅・竹・牡丹・橘などで、雲取りやヱ霞なども効果的に使った
可愛らしい図案なのです
この小紋は4月の桜の咲く頃に着る予定でいます。「誰が袖」では桃山時代~江戸
時代にかけて流行した、小袖を衣桁にかけたモチーフが一般的でしょうが、その
次に「誰が袖」と聞いて思い浮かぶのは江戸時代や元禄時代のお花見の席にて、
花見幕の替わりとして女性達が小袖を掛けたという花見小袖幕の様子です。
当時裕福な町人達は、花見の際に衣装自慢のために、幕の代わりに小袖を掛けて
いたと言われています。女性達はこの時とばかりに新しい着物を作ったそうで、
普段は質素にしていてもお花見の時だけは着物を新調する人もいたのだとか
そこから和の世界では、4月に誰が袖が出てきたらお花見(桜)を連想するのです。
お茶の世界でも、そうした歴史から、4月には「誰が袖棚」という棚を使います。
桜の咲く時期に桜の柄を着るのは野暮だといわれますが、誰が袖柄の着物なら、
お花見に着て行ってもちょっと気が利いた趣向になるかなと思います。それ以外
の時期に着てももちろん大丈夫な柄ですので、季節限定にならないけれど連想で
季節感を出すことができる、使い勝手の良い着物です
その点では貝桶の小紋もそうですね。3月の初めに貝合わせ柄の帯などと合わせて
着ればまちがいなく「雛祭り」の趣向ですし、それ以外の時期にも着られます
実は、5月に着るための小紋の図案も、もうイメージしてあります
「誰が袖」は他に二種類図案があって、一つは衣桁に掛けられた小袖を描いた
大きなもの、もう一つは室町時代後期に流行した袖型の香り袋をモチーフにした
ものでした。
貝桶の小紋の場合は落ち着いた上品な雰囲気に仕上げたかったので、図案にある
柄のみを全体に描いていただいたのですが、今回はもう少し華やかな感じの小紋
にしたいと考えているので、この図案の柄だけだと寂しくなってしまいます
そこで、袖の中に描かれている季節の花を、誰が袖の周りに散らして頂くことに
しました。あまりうるさくならないようお願いしたので、どんな図案になるのか
楽しみです
私のリクエストとこの図案をベースに、次は送り見本(繰り返し描くための図案
パターン)を送っていただきます。
別誂えが始まっています今回は小紋を作っていただくことになりました
別誂えは既製の小紋ではなかなか手に入らない色柄の物を作るのが目的なので、
今回もあまり見かけないような柄のものをお願いしました
選んだ図案は「誰が袖」文様。前回の貝桶とは違って、こちらはもともと工房で
保有していた図案ですので、お伝えしてすぐに送って頂くことができました。
私が選んだのは振袖の袖を描いたもの。下に重ねた衣が袖の振りから覗いたり、
袖の形がリズミカルで可愛らしいところが気に入りました。袖に描かれている
のは萩・菊・桜・梅・竹・牡丹・橘などで、雲取りやヱ霞なども効果的に使った
可愛らしい図案なのです
この小紋は4月の桜の咲く頃に着る予定でいます。「誰が袖」では桃山時代~江戸
時代にかけて流行した、小袖を衣桁にかけたモチーフが一般的でしょうが、その
次に「誰が袖」と聞いて思い浮かぶのは江戸時代や元禄時代のお花見の席にて、
花見幕の替わりとして女性達が小袖を掛けたという花見小袖幕の様子です。
当時裕福な町人達は、花見の際に衣装自慢のために、幕の代わりに小袖を掛けて
いたと言われています。女性達はこの時とばかりに新しい着物を作ったそうで、
普段は質素にしていてもお花見の時だけは着物を新調する人もいたのだとか
そこから和の世界では、4月に誰が袖が出てきたらお花見(桜)を連想するのです。
お茶の世界でも、そうした歴史から、4月には「誰が袖棚」という棚を使います。
桜の咲く時期に桜の柄を着るのは野暮だといわれますが、誰が袖柄の着物なら、
お花見に着て行ってもちょっと気が利いた趣向になるかなと思います。それ以外
の時期に着てももちろん大丈夫な柄ですので、季節限定にならないけれど連想で
季節感を出すことができる、使い勝手の良い着物です
その点では貝桶の小紋もそうですね。3月の初めに貝合わせ柄の帯などと合わせて
着ればまちがいなく「雛祭り」の趣向ですし、それ以外の時期にも着られます
実は、5月に着るための小紋の図案も、もうイメージしてあります
「誰が袖」は他に二種類図案があって、一つは衣桁に掛けられた小袖を描いた
大きなもの、もう一つは室町時代後期に流行した袖型の香り袋をモチーフにした
ものでした。
貝桶の小紋の場合は落ち着いた上品な雰囲気に仕上げたかったので、図案にある
柄のみを全体に描いていただいたのですが、今回はもう少し華やかな感じの小紋
にしたいと考えているので、この図案の柄だけだと寂しくなってしまいます
そこで、袖の中に描かれている季節の花を、誰が袖の周りに散らして頂くことに
しました。あまりうるさくならないようお願いしたので、どんな図案になるのか
楽しみです
私のリクエストとこの図案をベースに、次は送り見本(繰り返し描くための図案
パターン)を送っていただきます。