南信州のりもの倶楽部♪

バックオーダーをいただき過ぎたため現在オーバーホールのご依頼は受け入れを一旦停止しています。

プレスカブの使われ方はハード、しかし中身はソフト

2012年01月18日 20時23分00秒 | 国産横型エンジン編
やぁ。平日の昼間っからバイク弄ってるヒモ男こと「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
実は我が家の台所なら無線LANが微弱ながら使える事が分かったため、
1年ぶりくらいだと思うけどパソコンから更新してみようと思いまして。

昨日、エンジンから異音がするから診て欲しいと頼まれたプレスカブが入庫いたしまして、
今日早速エンジンを降ろして分解してみたんだけどね、
エンジンをかけた時は普通に圧縮してるし、焼き付いた音ではなかったため、
「きっといつものようにクランクがガタガタなんだろうなぁ…」と思ってたらやはりその通り。
クランクの大端部がガッタガタ。縦に振っても横に振ってもガタガタでしてね。

原因はオイル不足によりクランクにオイルが行かなくなったためのブローだったんだけど、
実はワタクシ、クランクブローしたカブを診るのが3~4回目でして。
それだけカブ(とくにプレスカブ)はクランクブローが多いのよ。
つまりクランクはデリケートだから、オイルを切らしたりむやみやたらにボアアップしちゃダメってこった。
昔、「カブはとても頑丈だからエンジンなんて天ぷら油を入れときゃ良いんだよw」なんて言ってるオッサンが居たけど、
当たり前だけどそんなのデマだからね、鵜呑みにしちゃダメだよ。

それと、新聞配達に使われているプレスカブを何回かボアアップを頼まれたんだけど、
そのプレスカブ、全車クランクブローで帰ってきました。
これも原因はハッキリしてて、
ボアアップだけしてヘッドは12Vのノーマルもままだから圧縮比が上がりすぎちゃってて、
さらにプレスカブって使われ方は2速固定のストップ&ゴーの繰り返しだから、
これもクランクにはよろしくない。
だってクランクに高トルクが一気にかかる乗り方ばかりされるんだもん。
そりゃ大端部のベアリングも砕けるって。
ウチにクランクブローした腰下が3機ほど転がってるよ。
それにクランクの修理しすぎてもうRクランクのスペアが無いっての…

で、クランクを壊さないための対策なんだけど、
まずはオイルを切らさない、って当たり前だよね。
でも新聞配達に使われるカブはいちいち気にされないし、
さらにオイルが垂れててもレッグシールドでなかなか確認できないからねぇ…
こればっかりは常に点検してもらうしかないんだけど。

それと、プレスカブは毎日毎日休む暇なく全開で使われるため、
キックシャフトとチェンジシャフト、それどカウンターシャフトのシールがすぐに抜けます。
なのでエンジン下が少しでもオイリーな感じがしたら直ぐに点検してみて。
もしオイルが垂れててもシール交換はエンジンを分解せずに出来るから、
手間だと思わないで交換していただきたい。
ちなみにウチでは入庫したカブのほとんどはシール交換してます。
そのたびに隣町のバイク用品店までPOSHのシールセットをいちいち買いに行ってるのだ。
でも「転ばぬ先の杖」だと思えば安いもんだからねぇ。

交換方法はフロントフォークのオーバーホール時に行うシール交換と同じ要領で、
シャフトにビニールをかけてシャフトでシールを傷付けないよう潤滑しながら挿入すれば良いだけ。
ただ古いシールを取り除くのがまた手間なんだけどね(笑

話が逸れた。

クランクを守るにはまだ対策があって、
もしボアアップする時はノーマルのヘッドを極力使わないってこと。
さっきも言ったように圧縮比が上がりすぎるため、
キットを買う時は最低限でもピストントップが凹んでて圧縮が下げられた工夫をされた物を使うか、
奮発してRステージやレギュラーヘッドを入れるてものアリかな。
ボアアップだけしたゴリラにしばらく乗ってたけどバルブが小さすぎるから高回転回らないし面白くないよ。
まぁ、プレスカブなんかはマフラーに制限があるからそこまでやってもしょうがない気がするけど。
朝方に爆音で新聞配ってたら怒れるでしょ(笑

それと、排気量を上げるにはまだ手があって、
ボアアップしてエンジンの寿命を短くするくらいなら、いっそのことエンジンを中華に交換してしまったらいい。
僕の友達はそのカブで新聞配達してるけど、
実はボアアップしたエンジンなんかより全然調子良いからねぇ。
その代わりにエンジン届いたらいきなり腰上をバラバラにしてあちこちチェックしたんだけど、
無理してボアアップするよりもこっちの方がオススメ。
エンジン買うだけで4速ロータリーミッションになるしバルブだってノーマルよか全然大きいからねぇ。
それに排気量だって88ccとかじゃなく一気に100cc超えだ(笑
そう考えれば安いもんでしょ。


今回はクランクは生きている腰下があったため、そいつに腰上を合体して修理しました。
排気量は50ccのままだけど壊すよりマシだもの。
後はシールだけ交換してエンジンを載せれば終了なので、
うまくいけば明日シェイクダウン出来そうです。
昔はエンジン組むのに何日もかけて少しずつゆっくりやてたけど、
今はたった一日で終わっちゃうんだもん、進歩したなぁ…

そんな訳で久しぶりにパソコン使って更新したけど、
スマホ使って更新するより全然楽なのでちよくちょくパソコンで更新しますわ。

また見て下さいな♪

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